いきなりですが問題です.
xy平面上の3点A(x,y),B(0,0),C(4,0)を結んで三角形ができないような必要十分条件を,xおよび/またはyを用いた式で表してください.ただし否定等号(≠)を使用してはいけません.
Aがxy平面上を動くのに対しBとCは固定ですので,まずは,xy平面上にB(0,0)とC(4,0)をとり,線分BCを引いた状態の図を作ります.
Aを選ぶことで,例えば次のような三角形が作れます.
三角形にならないのは,Aが,直線BC上にある場合です.式としてはy≠0,としたいのですが否定等号を使用してはいけないと指示してありますので,かわりに,「y<0またはy>0」としましょう.ただし,yは実数ですので,「y²>0」と書けば字数を減らせます.
続いてですが問題です.
xy平面上の3点A,B,Cについて,BとCは固定かつ異なる点であり,Aは任意に動くときに,この3点を結んで二等辺三角形となるような点Aの必要十分条件を,xもyも使用せずに説明してください.正三角形は二等辺三角形に含まれます.
各点の座標は明記されていませんが,最初の問題と同じくA(x,y),B(0,0),C(4,0)とします.そして上で例示した三角形は,いずれも二等辺三角形です.順に,「AB=AC」「BA=BC」「CA=CB」になっています.
「AB=AC」「BA=BC」「CA=CB」になる条件を,言葉にすると,それぞれ以下のように表すことができ,この3つの論理和が,三角形ABCが二等辺三角形となる必要十分条件です.
- 点Aが,線分BCの垂直二等分線上(ただし線分BCの中点を除く)にある.
- 点Aが,点Bを中心とし線分BCを半径とする円の周上(ただし直線BCとの交点を除く)にある.
- 点Aが,点Cを中心とし線分BCを半径とする円の周上(ただし直線BCとの交点を除く)にある.
図にすると以下の通りです.緑色,紫色,黄色の直線・曲線が該当し,○の点は除外されます.3つの直線・曲線は,2点で交わっており,どちらを点Aとしても,三角形ABCは正三角形です*1.
元ネタです.
- 田中英海: 点からの等距離を意識させる, 算数授業研究, 東洋館出版社, No.147, pp.10-11 (2023). [isbn:9784491053189]
「3年「円と三角形」の楽しい授業」という副題がついています.実際の問題は,「辺イウ4cm,辺アイ□cm,辺ウア□cmの二等辺三角形をかきます。点アはどんな場所にくるでしょう。」(p.11)でした*2.
昨日に引き続き,画像は独自に作成しました.SVGファイルを作ってから変換しました.SVGファイルは以下の通りです.「< >」をクリックすると,ソースが表示されます.