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3mを4等分して

 いきなりですが問題です.

3mのリボンを4等分に折り,1つ分と3つ分のところで切り分けます。\displaystyle\frac34mのリボンは,切り分けたリボンのどちらでしょう?

 元ネタです.

  • 大野桂: 授業を進めるために,どう「評価」するか, 算数授業研究, 東洋館出版社, No.149, pp.16-19 (2023).

 さっそくですが解答です.3mのリボンを4等分して「1つ分」のほうが,\displaystyle\frac34mになります.「3つ分」のほうは,\displaystyle\frac34×3=\displaystyle\frac94mです.帯分数にすると\displaystyle2\frac14mで,たしかめとして切り分けた2つを合わせると,長さは,\displaystyle\frac34\displaystyle2\frac14\displaystyle2\frac44=3mになってくれます.
 本文を読み進めると,「およそ半数の子どもが,「長い方のリボン」を選ぶ」とあります.「量分数と割合分数を混同して捉えている」も,同じカラム(p.17右)で太字になっています.
 実際,4等分して「3つ分」の方は,3mのリボンの\displaystyle\frac34です.この分数には「m」をつけるわけにいきません.「割合分数」です.
 3mのリボンを4等分したときの「1つ分」が,\displaystyle\frac34mになる,というときの分数は,「m」という量が伴いますので,「量分数」です.
 本文から離れて,長さ以外の量に置き換えることも可能です.例えば:

  • 3kgの粉を4等分し,1つ分と3つ分に分けて,別々の皿に乗せます.\displaystyle\frac34kgの粉は,どちらの皿でしょう.(皿の重さは考えません.)
  • 3Lの水を4等分し,1つ分と3つ分に分けて,別々のコップに注ぎます.\displaystyle\frac34Lの水は,どちらのコップでしょう.(1滴も残らず,コップに注ぐものとします.)

 「3」と「4」の値を変更することも可能ですが,ともに1桁の整数で,もとの量の数プラス1を,分割数にするのが,「引っかけ問題」になるように思います.