その1とその2
某年月日,朝7時台のことです.自分はワクチン接種のため出勤せず,PCでデスクワーです.
「(うーん,子どもら学校に行く時間とちゃうんかなあ.動きがないなあ)」
「(と思ったら,廊下の足音,誰かこっちに来るぞ)」
「(ドアを開けて)パパぁ,爪切りある? 普通の」
「ん,あとの子よ.爪切りか.(右手で小さな引き出しを開けて)こっちやな.ほい」
「パパありがとー」
「パパパパぁ,絆創膏かして!」
「今度はさきの子か.こういうときは『貸して』やなくて『頂戴』やで.それはさておき絆創膏なあ.(立ち上がって)大きめの引き出しの一番上に,あったらええんやが…箱,あった.今いるのは1枚だけやと思うが,貼り替えできるよう,ワンシート,持って行きな」
「はぁい,じゃあパパ行ってきまーす!」
「あたしもー!」
「あわただしいな」
その3
観劇の休憩中に.
「パパあのさあ,コンビニで梅のど飴を買って,車の中で舐めてたやん」
「ん? 車に入ってすぐ,ママもパパも1個ずつ,口に入れたな」
「あれ1粒,ある?」
「あああるよ.ジャンパーのポケットに入れてたはず…あったあった,開けて,ほい」
「ありがとう.めっちゃ喉渇いててん」
「せやな.あれれ,(車内で何粒も口に入れてたから)残り2個か.自分も1個もらお」
「パパ食べ過ぎやで」
「結婚当初よりは,ボリボリ噛んでへんねんけどなあ」
「ふぅん…あっ」
「あぁあ.ママに渡した分,落っことして,勢いよお転がってったな.拾うの無理やぞ」
「…」
「最後の1個,あげるよ」