某年月日,帰宅すると,階段から降りてきたのは,妻ではなく子どもでした
おかえりに続けて,ばんごはん食べたあとダイソーへ「ついていって」ほしいと言い出しました.
さきの子か,あとの子か…あとの子です.
なんと,すでに,車の鍵をママからもらっていました.
「つれていって」ほしいというのが正しいのかもしれませんが,まあええよといい,ご飯と煮物を食べてから,ジャンパーを着直してサイフとスマホをポケットに入れ,自分は運転席,あとの子は助手席に乗り,ほどなくダイソーに到着しました.
自分は買いたいものがなかったので,店内をのんびり回っていると,お目当ての紙袋を,あとの子は手にしていました.
じゃあレジへ行くのかな…いえ,ここからが本番です.あとの子はさらに,いろいろな陳列を見て回ります.
1か所で,立ち止まりました.ゆっくり,近づいてみると,さらに一品,買いたいという表情でした.
絞り袋と口金のセットです.ホイップクリームを出して飾りつけできるやつです.絞り袋は折り畳まれ,口金は何個か入っていました.
あとの子が,こちらに商品を見せてきました.悩んでいた理由がわかりました.300円なのです.
しかし1往復のやりとりで,この子が何を望んでいたかを,正しく知ることになりました.
「ほお,ほしいんな.…ところであとの子よ,お前いま,いくら持ってるの?」
「20円」
お目当ての紙袋から,パパに支払ってもらおうという算段だったのです.自分が買うかどうかではなく,100円プラス300円(プラス消費税)を,パパが払ってくれるかどうかを,この子なりに検討していたのでした.
絞り袋と口金は大事に扱い,家族も使っていいことにするのを条件に,購入しました.
帰宅して2階に上がると,いつもの部屋では,さきの子とあとの子がくつろいでいました.ダイソーで起こったことを話していき,「20円」のところで2人から笑いを取りました.