某年月日,夕食のメインは,オクラの肉巻きでした.パパとママと,さきの子とあとの子で,いただきますを言って食べていきました.
ごちそうさまが近づいてきたところで…
「この1個,食べていい?」
「さきの子よ,オクラの肉巻き,食いたいんか?」
「うん!」
「けどやな,それ,今,図書館でお勉強してる,うえの子かすえの子の分やろ」
「こっちのお皿に3個,そっちに2個あるやんかぁ」
「1個食ったら,2個と2個になって公平や,と」
「そ!」
「ところでお前,今食べたいってのを別にして,何個,食た?」
「3個」
「んで,もう1個,食たら,4個やがな.食いすぎや」
「うーん」
「パパもママも,あとの子も,3個ずつやってんから」
「うち,いただきますしたとき,2個やった!!」
「え? あとの子は,2個やったん? ほなこっちのお皿の3個のうち,1個,食うか?」
「食べていいの!?」
「ちょっと待って待って!」
「おっとここに,さきの子の横槍が入ってきたぞ」
「お皿,並べた後に,あとの子,1個食べてたやん!」
「あ,そうやった」
「そうよねえ,4人ともみんな,3個ずつはずやったもんねえ」
「てことは,いただきますの前に1個,食てたんか」
「そういうこと」
「すんごいこと言うてもう1個食おうとしたなお前」
「ごめん,ちょっと忘れててん…」
「ほな結論としては,こっちのお皿の,オクラの肉巻きは,さきの子もあとの子も,食べてはいけない! よろしいな」
「はーい」
「わかったー」
「もし,うえの子・すえの子が食わんかったら…明日の朝食のおかずになるんか?」
「そうやね」
次の日の朝食の,自分のおかずの皿に,オクラの肉巻きが2個ありました.無言で食べました.