わさっきhb

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誤字チェックで思い出す1冊

ゼミで,私のチェックは細かいらしいのですが…
全体的な,あるいは構成上の不備に気づくのが苦手でして,なので細部から見て,そこから,単純ミスを超えた原因が見つかるんじゃないかという発想で,指摘しています.
ところで,誤字チェックに関連して,印刷物の校正という作業があります.学生の間,校正に携わるということはないかもしれないけれど,学会で査読つきの論文を掲載してもらうときは,校正刷り*1を見て,誤字があればチェックするという「著者校正」を一度はします.
そして,出版社の中で,職務として校正をしている人もいます.人数は決して多くないし,社内の地位としては決して高くないかもしれませんが,たった1字,間違っただけで,印刷された何十万枚もの広告チラシが使い物にならない,ということもあり得ます*2
倉坂鬼一郎(くらさかきいちろう)という作家がいます.会社でその校正の仕事をしていた経験があり,会社の出来事を…仕事(校正のミス)から人間的なことまで…を余すことなく日記形式で綴っていて,本になっています*3

仕事の面白さ,恐ろしさも分かる,名著だと思います.

*1:ゲラ刷りとも言います.英語ではgalley proofと言います.galleyだけだと,ガレー船という意味になります

*2:大学生のとき,夏休みと春休みのときだけ,印刷会社でアルバイトをして,紙や版下,印刷物を軽ワゴンで運ぶ仕事をしていたことがあります.あるミニコミ誌で,たまたま目に入った校正刷りに,9月31日まであるものを見つけて課長に報告したことを思い出しました.

*3:手元にあります.いつ買ったのかな.何かでこの本を知り,Amazonのマーケットプレースで買ったと思うのですが.