昨日は,卒研生の発表練習指導でした.
10人聞きまして,うち5人は私がかなり指導してきました.研究室の他の先生方にどう映ったか…まあそれぞれ課題が出ました.プレゼンテーションの技術のことだったり,研究の進め方の不備だったり.
5人それぞれについて,思ったことをメモしておきます*1.
ひとり.週明けにもう一度発表練習をしてもらうことにしました.質が低いからではありません.この学生に必要なのは「先生のアドバイス」という名の水だと感じました.たくさん受け,大輪の花を咲かせてほしいものです.
ひとり.おもしろいアプリケーションができました.このテーマでは,年度初めにやりたいなあと私が思っていたことの95%をやってくれました.なのですが,発表練習では序盤に重要なことを言い忘れたため,他の先生に理解してもらうのが,ディスカッションもかなりたってからでした.
ひとり.年度初めから設計開発をしてきたし*2,余裕をもって卒論執筆と発表準備をしていたと思います.練習では,だれを支援するシステムなのかが明確になっていなかったのですが,それを追加すれば,内容はぐっとよくなるでしょう.
ひとり.この卒論は評価が分かれそうな気がします.難しいことを分かりやすく言うのがうまいプレゼンだとすれば,この学生はまさに当てはまります.夏休みまでの苦労は,卒論に書けませんが,それがあったからこそのこの成果です.ともあれ内容について,質問がいっぱい来そうなので,対策をしましょう….
ひとり.先生からの指摘が厳しかったのですが,それには誠実に対応しないといけませんね.この研究と発表については,良いところは当人の努力のたまものであり,悪いところはほぼすべて,私のまずさによるものです.
全体を通しての,プレゼンテーション改善のためのアドバイスを.
- 「研究の目的」のスライドで,ちゃんと目的を書いているか,確認しましょう.目的を達成するために“実施したこと”をスライドの下方に書いてもかまいませんが,それでもそれは目的ではありません.
- 「評価」についても,その目的と,具体的に実施したことを書きましょう.さらに,評価内容は,研究の目的を達成するのを確認する手段になっているか,よくチェックしましょう.
- 同じものを異なる表現で表していれば,混乱のもとですので,統一しましょう.
- 評価の中に数値情報が書けないか,自分のしてきたことを思い出しましょう.
- レーザポインタは,スライドを単に見るだけでは注目点が分かりにくいときに使います.文章だけのスライドを順に読むときには,使いません.
- スライドには「だ・である」体で書いて,話すのは「です・ます」体です.