わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

理念

昨日は,年度初めての研究グループのミーティングでした.
参加者に,こちらで用意している研究テーマのリストを渡しました.今後,卒研生の希望をもとに,だれに何をやってもらうかを決めます.
私が作った資料の中に,次のことを書いていて,説明するのを忘れていました.

  • 誠実さを身につけます
  • 自主性を尊重します
  • データの蓄積を喜びとします

これは,研究や研究活動を突き詰めていけば,どんな「理念」になるかを,表現したものです.
私のところに限らず,研究室を維持運営するにあたり,「研究業績をあげること」が不可欠です.ここで業績とは,論文誌への掲載に限らず,学会の口頭発表も,修士論文卒業論文も含めることにします.
しかし「業績をあげる」というのを理念に掲げるのは,会社の経営理念で「収益をあげる」と書くのと同じくらい,ナンセンスです.
理念を考える際,次のことを念頭に置きました.すなわち,学生は社員と異なり,研究室にいる期間は,卒研のみで卒業するなら1年間,修士論文までするとしても3年間という短い期間であることです.また,研究室活動で行うような,プログラミングやシステム設計,データの維持管理を,社会人になってもするとは限りません*1
そこで,研究室活動を通じて,プログラミングやシステム設計とは別に,社会に出て役立つ技能というのがあるのではないかと考えました.その結論が,誠実さ自主性です.
理念の3番目,「データの蓄積」は,別の観点によります.データエンジニアリング研究グループの一員なので,「データ」を自分なりに解釈して,理念に加えたいという気持ちがありました.
ここでのデータには,データベースに蓄積されるレコードだけでなく,ソースコードやドキュメント類,そして論文や研究発表を含めることにします.ということで,上に書いた「研究業績をあげること」が含まれることになります.そして,頭の中だけにある情報を実体化(文書化,コード化)できないかと常に考えることを,学生だけでなく自分自身にも求めていくことにします.

*1:コーディングをするかもしれませんが,その際のプログラミング言語は,社員ひとりの好みで選ぶわけにはいきません.