わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

採点の流れ

前期の単独担当科目の採点をしました.その手順を公開します.

  1. 期間中2回実施するレポート課題は,提出後1週間以内に採点して,Excelに保存しておきます.Excelファイル各行が学生の点数とします.該当学年は(履修していなくても)全員,再履修などはレポート提出者のみを書きます.
  2. 試験は,各学生の大問1(2〜3択の問題です)の解答をExcelファイルに打ち込みます.TabとEnter,Shift-Tabを使いながら(矢印キーは極力使わずに),効率よく入力します.試験を受けていない人を飛ばし,再履修で試験のみの人は行を新たに作ります*1.全員入力したら,正解とつき合わせて,Excelの計算機能で,各学生の正解数と得点,各小問の正解率を求めます.
  3. 模範解答を作り始めます.昨年度の解答のtexファイルをコピーして,日付を変えます.まずは大問1.正解のほか,正解率,関連する授業回,簡単な解説を,小問ごとに書いきます.(書いてみると,複数回の授業内容をもとにした問題の正解率が,単独回のそれよりも低いことが確認できます.) 大問2以降の解説は後回しにするので,「\end{document}」と「\bye」を書いておきます.これでPDFファイルを作って,速報版として講義ページ上で公開します.
  4. 大問2,大問3の模範解答も作ります.大問2の計算問題は,1年前のとは数字が違うだけです*2大問3の図示については,Inkscapeで描き,svgとepsで保存して,texではepsのファイルを取り込みます.PDFにしてプリンタに打ち出しますが,このファイルはまだ公開しません.
  5. 赤ペンを持って,各学生の答案の大問2と大問3を見ていきます.正解なら大きく「○」,加点しようのない間違いtotally wrong answerには大きく「×」.それ以外は,注意する箇所に下線を引くだけにします.ついでに,注意する解答例と減点案を,印刷した模範解答の余白に書き込みます.
  6. 学生の答案をまた先頭から見て,大問2と大問3の点数をつけていきます.完了したら,その点数をExcelファイルに打ち込みます.大問3の(2)は選択問題としましたが,選択番号ごとに列を設けます.
  7. 模範解答のtexファイルを修正します.別解や,多かった誤答への解説を追加します.答案の中によい表現のものがあれば,取り入れます.
  8. Excelファイルと,全学生の答案の大問1とを照合していきます.打ち込みミスがあれば修正します.一巡したら,赤ペンを持って,答案の間違いの箇所に×をつけ,点数を書きます.
  9. Excelファイルの大問1,大問2,大問3の合計を出し,レポート点を加えた成績を求めます.ここでミスがないか点検します.特に,98〜99点,56〜59点の人は,本当にその点数でいいのか,100点,60点にすべきではないかを,答案やレポートを取り出してチェックします.
  10. Excelファイルの内容を変更するところがないとなれば,赤ペンを持って,試験の点数を答案に書きます.
  11. 模範解答も,最後の見直しをして,PDFファイルを作ります.そして速報版のを取り替えます.
  12. 成績を教務係に報告します.その手続きについては省略します.もちろん記載ミスのないよう,何度もチェックしています.
  13. Excelファイルは暗号化して保存し,暗号前のファイルは削除します.

かつて,

講義と演習は,きちんと採点基準を作っておいて,機械的に作業をするだけです.

成績評価だ - わさっき

と書いたのですが,機械的どころかずいぶん泥臭い作業ですね….

*1:Altを押しながらI,Altを離してRの順にキーを押せば,マウスを使うことなく,新たな行ができます.

*2:表を書くのですが,数値も計算するJavaScriptができたから,計算ミスもなく楽です.