学生室の両端に,本棚があります.教員に近い本棚には,研究グループの過去のD論/修論/卒論や,学会発行の論文集,研究に参考になる本が並べられており,そのいくつかはノートで貸出管理がなされています.反対側の本棚は,学会誌・論文誌もあったりしますが,誰が持ってきたのか俺が持ってきたのか,漫画の単行本をはじめ,娯楽のための本が揃っています.
その学生サイドの本棚の一つ一角を確保しまして,先週から,自分のお気に入りの本を並べています.
本当にお気に入りのもの,今後も折に触れ読み直すことになるものは,自宅や自室に置いています.学生室に設けた,特別な本棚には,学生が読むことで,少しでも心が豊かになってくれるとありがたいのだが,と願うものを選びました.
そこの本については,持ち出し自由です.読み終えたら返却することを期待するくらい.
ただ,それだけでは,本が読まれたことが分かりません.かといって昔の図書館の本のように,貸出日のスタンプを押していくというのは,煩雑なので避けたいところです.
そこでちょっと考えまして,A6判の小片を挟み込み,読んだ人がそこに書き込むことにしました.
具体的には,日付(持出日でも返却日でもいいでしょう),名前(ニックネームなど可),簡単なコメントのほか,ページを書く欄を設けました.
ページというのは,通し読みしたら,その中で最も印象に残ったところです.全部読むほどでなかったときには,つまみ食いして目についた,1ページか数ページを挙げてくれればいいのです.
このくらいであれば,書くのに手間にはならないし,次の人が読むときに,まずその小片を参考にして,前の人がメモしたページから見るという使い方も考えられます.
まあ,うまくいくかどうかは,これからの運用次第です.
小片の作り方についても少々.まずExcelで,A4判でレイアウトし,PDFに変換してから,(Readerでないほうの)Adobe Acrobatで4ページになるようコピーして,それをA4判1枚になるようプリントアウトします.プリンタオプションで,ページの区切り線は表示しないように設定します.
必要な部数だけコピーしてから,裁断します.横方向に切るのは,何も考えず,ちょうど中間です.縦方向については,幅が10cmになるようにします.
本のサイズ(判型)と本の種類 - 印刷物の寸法・規格ほかによると,A4判は210×297mm,それを4分割したA6判は105×148mmです.さらに5mm切り落として100×148mmにすることで,文庫本や新書にも,はみ出しません.
あとは,具体的なメモ内容ですね.A4で記入例を書いて本棚に貼り付けるのは,コストは少ないですが効果薄です.1冊1冊に,メモをつけました.
1回のやり方は,こうです.まず帰宅の前に,候補となる本をカバンに詰め込みます.そして帰りのバスに運良く座れたら,順に取り出して読み,記録したいページに,先ほどの小片を挟み込みます.読みふけってしまうということがなければ,約30分のバスの行程で,十数冊に挟み込めます.
帰宅してから,本を開いて,しおり代わりの小片を取り出し,必要項目を記入したら,表紙の裏に挟み込みます.
そして翌朝,本棚に置きます.
現時点で50冊ほど.これからも,候補を積んでおき,どかっとメモを書いてまた本棚に並べていきたいと考えています*1.
そうして読み直した本を1冊紹介.
- 作者: 大崎善生
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/05/07
- メディア: 文庫
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この本では「将棋」のほかに「生きる」ことを,ときには強く押し出し,ときには泥臭く記述しています.実は一番記憶に残っているのは,部屋のあちこちに時計を置き,どこからでもその一つが見えるようにして,その時間の流れから,自分が生きていることを実感するというシーンなのですが,心に余裕がないためか,該当ページを見つけられませんでした.
*1:そういえば早速,『ポケモンの秘密 (小学館文庫)』がなくなっていたなあ….