夫婦で遅めの夕食中.
ママのそばに娘が来まして…
「だ〜め.あなたはねえ,もう晩ごはん食べたでしょ」
「食わしたんや.何時ごろ?」
「いつものように,5時すぎにね.そんで7時前,おじいちゃんおばあちゃんが食べてるときにも,ちょっとほしいってやって来て,お野菜,もおてたけど」
「んでまたほしいんか」
「せやねん.…あ,おばあちゃんが,柿をむいて,居間に行ったで.行きなあよ」
「行ったなあ…ところでやな」
「ん? 何」
「この子に食べさせてええ“くだもん”って,柿だけか?」
「そんなことないで,たいていのものはいけるよ」
「レモンとか?」
「それは,やめといたほうがええかな.あ,そういえば」
「ん? 何や」
「あの子,今日ねえ,コーヒー飲もうとしたんやで!」
「へえ.お前…か,おばあちゃんが飲んでるコーヒーをか?」
「ちゃうねん.ポットの横にさあ,スティックタイプの,インスタントのコーヒーあるやんか」
「…あるなあ」
「あれを噛みちぎってんねんで!!」
「ありゃ! えらいことするなあ」
「それで,見つけたとき,口の周りがコーヒーの粉だらけ」
「そら大変や.口の中に,お湯を入れちゃらな」
「あかんに決まってるでしょ」
「熱湯はあかんよなあ」
「そうじゃなくて」