「ただいま…」
「あなた! この子,賢いんやで」
「(外套を脱ぎながら)ん? どした」
「今日ね,この子ね,自分のおもちゃを,お片付けしてんで!」
「ほお,そらすごいなあ」
「積み木の最後の1個だけやけどね.『お片付け,しよな〜』って,あたしが入れ物の箱に入れてたらね…」
「ふむ」
「この子も手にとって,箱の上で落として,中に入れたんやで!!」
「(娘の頭をなでながら)へえ! お前,賢いかしこい」
「もっと褒めちゃってや.あたしらの子やねんから」
「それにしてもしかしその…無造作に広げてる服は,お前のんやな」
「あ,それね.温風で乾かしとってん」
「何や,うちの子やのおて,お前が広げてたんかいな」