論文・プレゼンの科学―読ませる論文・卒論、聴かせるプレゼン、伝わる英語の公式
- 作者: 河田聡
- 出版社/メーカー: アドスリー
- 発売日: 2010/01/01
- メディア: 単行本
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書評はここまで.あとは,書名を借りて,自分の思うことを書いていきます.
1月から力を入れて学生を指導して,修論・卒研の発表会で他の研究室の学生さんの論文に目を通し,またTwitterでのつぶやきを眺めていると,論文やプレゼンというのは,博打(バクチ)に似たところがあるなあと,思うようになりました.
一番ぴったりするのは,麻雀です.実際,M1のときに,メーリングリストか何かで,研究はアガリに向けておのおのが手作りをすることである,というのを読んだ覚えがあります.もちろん,麻雀は,場の中の誰か一人しかアガれない*1のですが,研究で,それもD論・修論・卒論では十分な努力をしたらみんなアガることができる,という違いには,注意しないといけません*2.
何が博打なのかというと,成功する・しないというところではありません.素材が与えられたときに,「アガリ」に持っていく方法が,人によってこれほどまでも違うのかということです.
素材とは,麻雀なら配牌のことですし,研究では,携わるテーマの,それまでの成果です.安易にチェンジというわけにはいきません.その素材と,自分の工夫,そして先人の知恵をもとに,なんとか完成形を作ることが,求められています.
学生にとって,先人の知恵とは,本やネットなどの情報です.そして,本やWeb上で勧める方法というのが,別のところ,例えば私が読んだときには「そんなんするかよ!」となります.当雑記に書いたことについても,読まれた方が同様に感じたところも,きっとあったでしょう.
そういった意見が乱立する中で,より多くの人に認められた「セオリー」として確立させるのか,あるいは研究室内の「秘伝の技」となっていくのか….
私の教え方や,論文執筆やプレゼンとりまとめのスタイルも,いまだ発展途上です.