「ただいま…」
「おかえり〜.すえの子にミルクやってるんで,他の子(の面倒),見たってくれる?」
「あーはいはい.ん? これは…」
「ぱぱおかえり!」
「おう,ただいまなんやが,あれれ,こら大変やなあ…」
テーブルの上に,1枚の紙がありました.うえの子が幼稚園で,視力検査を受けた結果,右が1.0で,左が0.9というのです.
「3歳のころから,1.0ないってか.パパもママも,ママのパパもパパのママも,メガネなしでは生活でけへんから,ある程度遺伝するんはしょうがないとして,この歳からとは…」
「ぱぱぁ」
「おっと,どした?」
「あっちのへや,いこ!」
「うんわかった.先,行っとき.パパは着替えてくるからな」
着替えてから,うえの子が入った部屋へ….
「ほお,偉いぞ! うえの子,テレビからだいぶ距離をとって,座って観とるな.ママとおばあちゃんに,きつく言われたんかな」
「なんやが,さきの子・あとの子はテレビにかぶりつきかいな.お前らは視力検査ってまだまだやけど,観ている人の迷惑になっとるんやぞ!!」
不安になったママが後日,うえの子を眼科に連れて行き,診てもらったところ,両目とも1.0でした.