「みな,乗ったな」
「はい!」
「うえの子よ,ええ返事したな.さきの子にあとの子よ,チャイルドシートから出んようにな.ほいでや…」
「ママと,ばあばと,すえの子がまだなんで,せやな,暇つぶしに歌でも歌っちゃろ」
「…」
「も〜いーくつねーるーと〜♪,おーしょーおーがーつ〜♪」
「おしょうがつにはータコたべて〜♪ って食べる方のタコかい!」
「ぎゃはは! ぱぱおもしろい!」
「続けるぞ…タコをーたべて〜タコたべよう♪ って食べてばっかりかい!」
「ぎゃはは!」
「お,さきの子も笑うか」
「ぱぱ,もいっかいやって」
「ほな歌い直すぞ.も〜いーくつねーるーと〜♪,おーしょーおーがーつ〜♪」
「…」
「おしょうがつにはーたこあげて〜♪ こまをーあげて♪ って揚がるかいっ!」
「ぎゃはは!」
「うえの子よ,お前,笑いの沸点が低いな」
「もいっかい」
「あいよ.も〜いーくつねーるーと〜♪,おーしょーおーがーつ〜♪」
「…」
「おしょうがつにはーモチくって〜♪,のどをーつまらせ,ゥョゥョゥョゥョゥョゥョん♪」
「ぎゃはは! うようようよってなにぱぱぁ!」
「あ? パパの持ちネタや.んで,すえの子も笑ろてくれたな」
「ぱぱ,もいっかい」
「えっとやな…ああ,あれがあった.も〜いーくつねーるーと〜♪,ねーしょーおーがーつ〜♪ 寝正月かいっ!」
「ぎゃはは!」
「だいたいこんなとこやな」
「ぱぱ,もいっかい」
「もっかい! もっかい!」
「さきの子まで,せがむとは…おっと,ちょうどママらも来たんで,ここまでな.出発するか!」