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日本の算数教科書がスペイン語へ翻訳

 日本の算数教科書がスペイン語へ翻訳され、メキシコ国内で小学校の教員を目指す学生たちが1月から使い始めた。
 筑波大とメキシコ教育省の共同事業で、主導的な役割を果たした同大教育開発国際協力研究センターの礒田正美准教授(53)(算数・数学教育学)は「算数教育を通じて日本の良さが広まるきっかけになれば」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20130204-OYT8T00294.htm

へえ.もう少し調べると…

そして,

という,かけ算の指導書があるのを知りました.
2009年発行です.CiNii図書にも,入っていました(http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA89718362).PDFファイルを見ると,ISBN:9789561704343ていますが,Amazonでは見つかりませんでした.
礒田正美のお名前で,連想するのは,『算数授業研究 VOL.80』p.11の,次の図です.

今回知った指導書の中にも,これのスペイン語版が入っています(p.50).
そしてp.50やその前後のページを見ると,xにjを下付き文字で添えた記号を見かけます.p.46の脚注に説明があって,どうやら,日本式のかけ算表記のようです.
かけ算の意味あるいは「かけ算の順序」を記したものは,p.84にあります.授業案と思われます.「2 x 5 = 10」の上に,「"2 en cada plato" y "5 platos" da "10 en total"」と記されています.同じページの下部には,「"Cantidad en cada grupo" x "Número de grupos" = "Número total"」ともあります.日本語の「一つ分の数×いくつ分=全部の数」とみて,良さそうです.p.88には,"2 cm, 3 veces es 6cm"(2cmの3倍は6cm)の式を2 x 3 = 6とし,「Multiplicando x Multiplicador = Producto」という言葉の式もあります.
ざっと見たところ,一つの場面でa x bとb x aのどちらが,その場面に合った式なのかを判断するという授業例はなさそうです.人を配置し,そのつながり方によって,3 x 5と5 x 3が等しいとする,交換法則の説明は,p.142にあります.
そんなこんなで,興味深い文書でした.


余談.

(リリース:2013-02-08 未明)