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某ゼミへの思い

大学院ができたときからずっと,所属クラスタを変えずにいます.1期生の学生から見てきたわけですが,そうした中で思い浮かぶ,某ゼミへの思いを,お話しすることにします.


思いは,「変化」と「悩み」に大きく分けることができます.
「変化」の一つめは,人の入れ替わりです.学生は,修士2年間で入っては出て行き,入れ替わるのが当たり前ですが,教員も教員で,他のクラスタからお越しになったり,出られたりします.他の大学や研究所へ移られる先生もいます.
所属クラスタは変わらなくても,助手・助教から講師・助教授・准教授へ,そして教授へと昇任していくのを見てきています.別にクラスタで教授が何人,准教授が何人といったルールはないのですが,某ゼミの運営にあたって,職位は,ちょっと気をつけないといけないところだったりします.
某ゼミ担当教員は3名で,今年度どなたかというのは,初回配付の資料に書かれていましたね.もともとは,2名でした.それも,成績評価をするため,助教授・講師の先生に限られていました.のちに教員数が増えたことと,某ゼミ担当教員の枯渇問題への対処のため,助手,今だと助教ですね,の先生も加わりました.ちなみに教授の先生方は,持ち回りで,クラスタ主任を担当されます.
私が最初に某ゼミ担当をすることになったとき,前年度の先生から資料をもらいまして,成績評価で「質問点の青天井は,やめたいなあ」と思ったものでした.何かというと,昔も今も,某ゼミの成績評価は,出席・発表・質問をもとにつけていたのですが,それまで,質問は1回したら何点,という要領だったのでした.
それで,毎回のように質問する学生も2,3人いて,そういった学生は,素点で100点を超してしまいます.まあ100点としていたのですが,やっぱり某ゼミは出席・発表・質問を総合的に評価すべきだろうと思いまして,もう一人の…本日お見えでないですね,1期生からずっとこのクラスタの先生です…に相談したら,ええそうしましょうとなって,出席点,発表点,質問点で分け,質問点に上限を設けて,3つ足して100点満点にするというルールになりました.
あとは…そうですね,初期の某ゼミは,本当にのどかでした.学生が発表して,質疑応答して,おしまいです.やりとりは,発表者本人と指導教員の頭の中にぼんやりと残る程度でした.
今と何か違うか,M2のみなさん,分かりますか? 質疑応答を記録するという習慣が,なかったのでした.
4期生くらいだったかなあ.私に言うんですね.「質疑,記録しといてもらえますか」って.当時,自分の手帳に,質疑を簡単にメモするようにしていたのですが,学生がこちらに質疑をとっといてと言うのです.今では到底,許されませんね.
そんなこんなで,この某ゼミで,質疑応答と正式回答をとりまとめ,発表後1週間以内に,スライドとともに担当の先生に送るようになったのは,比較的最近のことです.
A4表裏のレジュメを作成しておき,出席する教員・学生に配付することになったのは,昨年度からです.


「悩み」に話を変えましょう.
某ゼミ担当は数年ごとに回ってきますが,担当の年度は大忙しです.まず,教員や学生の発表の日程を組まないといけません.今年度の最初の日程案は,学生数が多かったもんで,教員発表なし,第2回からさっそく,M2の発表が組まれていたのでした.年度の最初っから,大変やなあと思って見ていたのですが,入学辞退・休学・退学の学生の連絡をもとに,学生が減りまして,こうして教員発表をとる余裕ができたのでした.M2のみなさんも,時間の余裕ができたってわけです.
そのほか某ゼミ担当となると,学生からは欠席やら提出物やら,クラスタ主任の先生からは学生へのアナウンスやらみなさんで決めてくださいやら,メールが連絡が頻繁にやってきます.1件1件は単純なのですが,漏れなく対応しないといけません.各回90分のゼミの中でも,することがいろいろあります.何から何まで大変です.
次に,ぎょっとするもののコントロールのできない悩みとして,年度によって学生数に幅があります.多いときは1学年に20の後半,それがM1,M2の2学年あります.最小は10人でしたかね,少ない方は幸いにも連続することなく,ある入学年度だけ少なく,その前後は多いなあ,ってな状況でした.
昨年度は,1回の授業,90分で,4人の学生に発表してもらいました.1人あたり,発表10分,質疑10分の20分でした.発表10分では,スライドづくりにも苦労します.卒論発表なみですからね.でもって,情報分野と環境分野の教員・学生に分かる内容にしないといけない.今年度は,発表15分質疑15分で,修士の途中段階の発表としては,標準的ではないかと思います.ともあれ指導される先生のアドバイスを聞きながら,しっかり準備してください.
人数が少ないクラスタでは,学生は半期に2回発表するなんてこともあるそうです.それはそれで充実できて,良いのかもしれませんが,我々は人数が少なくなっても,そこまで行くことはありませんでした.
某ゼミの最中の苦労を,お話しすることにしますと…そうですね,質問が出すぎるときと,全く出ないときがあります.どっちも,悩みの種です.1回の発表に対して,質問は何個以上何個以下にするなんてわけにいきませんので,基本的には学生持ち回りの司会に委ね,何かあったら某ゼミ担当教員が入るという,現実的な方法でやってきています.
あと最後に,これは学生というよりは教員の問題意識なのですが,学生はこの某ゼミに出席して,自分が発表しない回のとき,「学んでいる」か? 「聞くだけ」になっていないか? というのは,根源的といっていい悩みです.
参加人数からして,毎回質問するわけにはいきませんし,質問を紙に書いて提出というのも,監視社会をやっているように見えて,ゼミとして生産的ではありません.
そこについては,学生の自主性といいますか,それぞれの意識のもとで実施してもらうとして,教員サイドとしては,充実した発表,そして質疑応答ができるよう,場づくりをしていっています.某ゼミ担当のときには積極的に,そうでない年には応分に,ですけどね.

何これ

4月30日の某ゼミで,発表する機会がありましたので,3分の2を研究紹介,残り3分の1を某ゼミアドバイスとして,しゃべりました.上記はスライド2枚分で,実際に話していない内容を含みます.スライドもそれで終わりというわけではなく,発表・質問の流れと,質問のパターンについてスライドを出し,それぞれで話しました.
「某ゼミ」とは,大学院のゼミのことです.ある科目に対応づけられています.実際の呼び方とも異なっているのですが,これは意図的なもので,某ゼミの欠席メール文例を機に,当ブログ上では「某ゼミ」と書くようにしています.