- 作者: 筑波大学附属小学校算数研究部
- 出版社/メーカー: 東洋館出版社
- 発売日: 2013/08/09
- メディア: 単行本
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目次の前,中田寿幸氏による巻頭言に,引っかかりました.
「わり算」の視点でページをめくっていた緑表紙だったが,「寄算*1」の表記が気になった。
「たし算」のことを「寄算」と表記している。確かに「合併」は寄せているイメージがある。「足す」というと,「増加」になってしまう。1年生が初めて出会う「合併」のたし算は「寄算」のほうがいいなとも思った。
しかしそうすると,3+2は「3寄せ2」と言ったのだろうかという疑問が湧く。そこはやはり「3足す2」のほうがしっくりくる。「足す」しか使ってこなかった自分がしっくりこないだけだとは思う。しかし,当時「3寄せ2」と言っていたとしたら,これを「3足す2」と言い換えるのには当時の人たちも抵抗があったのではないだろうか。
そんなことを考えながら,「寄算」周辺の言葉をインターネットで調べてみた。
「寄せ算」だったら,昨年取り上げました.
それで自分でも,Googleで調べてみると,「寄算」を検索語としたのでは,このエントリはヒットしませんでした.ただ,「もしかして: 寄せ算」と出てきまして,検索語を切り替えると…3ページ目に見つかりました.20番台です.
それから,「3+2は「3寄せ2」と言ったのだろうかという疑問」についても,答えが見つかりました.ドメインはFacebookですが,Googleでヒットしましたし,念のため,Facebookでログインしていないブラウザでも,ページを見ることができました.
◆戦前の「寄せ算」(まずは基数の寄せ算)
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1068890783249542&id=249905778397704
> 三年の中頃になって やっと寄せ算を教えにかかった。
> 最初は、基数すなわち十以下の数の寄せ算である。
(略)
> こうして、道具は次々と変わるけれども、内容は
> 相変わらず、二たす二とか、三たす二とか基数の
> 寄せ算である。
寄せ算であっても,3+2の言い方は「3足す2」だったのが,想像できます.
(9月5日追記)緑表紙教科書から(たしざん) ( 小学校 ) - 授業がんばりMATH - Yahoo!ブログによりますと,緑表紙教科書の中に,「3 ニ 1 ヲ ヨセル コト ヲ,3+1 ト カキマス。3+1 ヲ「3 タス 1」ト ヨミマス。」と書いてあるとのことです.
*1:「ヨセザン」のルビあり.