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平成27年度算数教科書読み比べ(3)〜乗算記号の筆順

どの教科書も,かけ算の意味を説明しているそばで,乗算記号「×」の書き方を記していました.右上から左下に書き,そして左上から右下へ書く,という筆順で統一されていました*1
ただ,「×」の周囲についている情報について,文字・色・配置まで,一致するものが見当たらなかったので,違いが分かるよう図をつくってみました.

東京書籍

東書 新編 新しい算数 2下 p.6に,筆順が書かれていました.

1と2は黒の丸囲みで,1からの矢印は赤,2からの矢印は青です.矢印は,右と左から,中に入っています*2

大日本図書

大日本 新版 たのしい算数 2*3 p.117に,筆順が書かれていました.

1と2はオレンジの丸の白抜きで,矢印もまたオレンジでした.矢印は,右と左から,中に入っています.

学校図書

学図 みんなと学ぶ 小学校 算数 2年下 p.9に,筆順が書かれていました.

1と2は赤丸の白抜きで,矢印もまた赤でした.矢印は,右と左から,中に入っています.

教育出版

教出 小学算数 2下 p.5に,筆順が書かれていました.

1と2は黒の丸囲みで,矢印はともに赤でした.矢印は,右と左から,中に入っています.

啓林館

啓林館 わくわく算数 2下 p.5に,筆順が書かれていました.

1と2はオレンジの丸囲みで,矢印もまたオレンジでした.矢印は,右と左から,中に入っています.

日本文教出版

日文 小学算数 2年下 p.7に,筆順が書かれていました.

1と2は赤丸の白抜きでした.矢印の色についてはメモを取り損ねまして,赤色にしていますが確証はありません.
特徴的だったのは,2つの矢印の配置です.乗算記号の上から,中に入っています.

6つを並べると


東書・大日本・学図・教出・啓林館・日文*4を,2行3列でいわゆるZ型に配置してみると,上下の2つ(東書と教出,大日本と啓林館,学図と日文)がそれぞれ,似通っているのが確認できます.
しかし,完全に一致しているものはありません.
一致しないよう,各社で協定を結んでいる…なんてわけはありませんよね.

*1:東京書籍のQ&A https://www.tokyo-shoseki.co.jp/question/e/sansu.html#q4 によると「以前は「確かでないことは教科書には載せない」との立場から,演算記号や分数の筆順など,明確な筆順が存在しないものについては教科書には載せておりませんでした」が,「筆順を掲載するにあたり,編集部では「一般的によく行われる書き方であること」と「小学生にとって書きやすく,自然に受け入れやすい筆順であること」の2点を考慮し,現在掲載している筆順を採用いたしました」とのこと.

*2:この表現は,最後に挙げる「日文」と区別するためのものです.

*3:6社のうち,2年の算数教科書を上下に分けていないのは,大日本だけでした.

*4:『平成27年度使用小学校教科書編集趣意書 算数』の記載順であるとともに,(見本の)教科書番号を小さいものから並べても,この順番になります.