わさっきhb

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平成27年度算数教科書読み比べ(4)〜2年以外の「基準量が後に示された問題」

啓林館 わくわく さんすう1 p.150の問題*1は次のとおりです.

子どもが 3人 います。
みかんを 1人に 2こずつ あげます。
みんなで なんこ いりますか。
(ア) ●*2を つかって かんがえましょう。
  (図省略)
(イ) えや しきに かいて たしかめましょう。
  (図省略)
  2 + 2 + 2

「3 + 3」と式を書くのは想定されていません.このことは,『[isbn:9784180808335:title]』p.66に書かれた学習指導略案からも確認ができます.そこでは,予想される児童の反応として,「1個ずつ置く」「2個ずつ置く」を図入りで載せています.「1個ずつ置く」のほうはいわゆるトランプ配りです.しかしその略案では,指導上の留意点として「1個ずつ置くか,2個ずつ置くかという置き方ではなく,置いた結果に着目させる」と指摘した上で,「2個ずつ増えていっている増加の場面であることに気付かせる」としています.この件は,[http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20111117/1321460871:title=りんごのかけ算]や,[http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20131116/1384560000#2.3:title=かけ算の順序論争について]でも引用してきました.

この出題が「啓林館のみ」なのは,1年の算数教科書を読み比べておく必要があります.Webで手軽に,というのであれば,次の情報がおすすめです.

「小学校1年生(算数)ワークシート 啓林館用」では「18.おなじかずずつ」として,上記と同様の問題文,そして展開が書かれています.東京書籍用には,見当たりません.
去年の今ごろ,書店で問題集を見ていたときにも,啓林館用の1年のもののみ,この種の出題が入っていたことも,思い出します.


「基準量が後に示された問題」は,3年の教科書からも1例,見つけることができました.東書 新編 新しい算数3上 p.101で,「ゆうかさんの学校の3年生は4クラスあって,どのクラスも34人です。3年生は,みんなで何人いますか。」というものです.
2位数に1位数をかける乗法が意図されています.3年での学習が想定されているかけ算について,関連情報にリンクしておきます.

(最終更新:2014-07-03 朝)

*1:「20. おなじ かずずつ」という単元になっておりhttp://shinko.ee-book.com/h27textbook/math/data/dp_detail_math.pdf#page=47,配当時数は2時間です.

*2:原文ではブロックの絵