わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

餃子づくり

    「ただいまぁ」
   「うわーーん,ぎゃあーーん」
    「何やなんや」
「あ,パパおかえり」
    「あー,んー,餃子,作っとんのか」
せやねん.パパも手伝ってくれる?」
    「皮を包むのんな.やるよ」
 「パパみてみて,これで10こやねん!」
    「うえの子よ,10個作ったんかいな.すごいな!」
  「ぱぱ,できたー」
    「さきの子も,やってくれてんのんな.速さは気にせんと,自分のペースでやれよ」
   「ぎゃーん,あだじぼーー」
    「すえの子なあ,うーむ,お前はちょっと,やめといたほうがええかな」
せやねん,触らしたら,えらいことになるで」
    「パパが,居間へ連れてっちゃろ(抱える)」
「置いたら,こっちに来てや」
    「へいへい」
   「ぎゃーー」


(以下,ママ・あとの子・パパのやりとりになるので字下げを変更)
  「手ぇも洗ろてきたんやが…」
  「あとの子よ,お前は何様やねん」
 「ヨーグルト!(差し出す)」
  「ちゃうがな.皆が餃子の皮を包んどるっちゅうのに,なんでお前だけ一人,食卓に座って,優雅に,ヨーグルト食ぅとんかい!」
 「あたしもするー」
  「やる気になったか.まず手ぇ拭いとこな.んで,皮を手に取って…」
 「うん!」
  「次は,具ぅやが,ひとすくい…これでええかな」
 「わかった!」
  「皮の端に,指で水をつけて…」
  「うまいこと,折りたたむんやで.パパも1個,やろか.皮と,具ぅと取って…」
 「できた!!」
  「ほぉ,早いなあ,ってこれ…」
 「できたで」
  「いやあのなあ,あとの子よ,これ,折り曲げただけやないか」
 「…」
  「うえの子お姉ちゃんや,さきの子が作ったん,見てみな.ああやって,折り目*1をつけてかな,あかんねんで」
 「…」
「パパ,教えちゃって」
  「うーん,パパがやったら…こんななんねんな.実は誰にも教えてもろたことがないんやが」
「そうなん?」
  「それにしてもこの子は…実家で,あっちのおばあちゃんに修行をつけさせてもらうほうが,ええのんかもしれんな」
「お母さん?」
  「そうなんやが」
「餃子作るん,うまいの?」
  「いやいや,パパも小学生のときかな,作ったもんやけど,折り目なしやったもんで」
「あれ!?」
  「んでやな,学生時代やったかに,友人の家でみんなで餃子を作ろうてなって,作ったら,俺の1個目みて,友人ら驚いたんやが」
「そうなんや…で,お母さんなん?」
  「ええんかあかんのかは,分からんけど,料理の豪快さは,引き継げるかなと」
「そういうことね.まあ,あとの子ちゃんに,ちゃあんと教えちゃってや」
 「ぱぱ,つぎ!!」
  「…これがあかんと思てないところが,お前の強みやな.あとの子よ,ほら,皮な」
 「ありがと」
  「んで具ぅのほうやが…」
 「あたしがやる!!」
  「ん? あとの子よ,自分ですくいたいんか?」
 「やる!!」
  「へいへい(ボウルを動かす)…スプーンで,すくってみな」
 「(すくう)」
  「おお,ちょうどええ量やな」
 「(皮の中央に乗せる)」
  「せやせや」
 「(スプーンを口に入れる)」
  「こらこら,舐めるな!!」

*1:http://marron-dietrecipe.com/china/china_gyoza01.htmlほかでは,「ヒダ」と書かれています.