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「学習指導要領に書かれていない」再考

ログを見ると、http://t.co/8lncwwcbvcリンク元として学習指導要領で,かけ算をどのように意味づけているかへのアクセスが何度かありました.
Yahoo!のリアルタイム検索に,リンク元・リンク先のURLを入れてみても,発信源が出てこなかったのですが,Googleリンク元URLを入れたら見つかり,2013年11月になされたツイートと分かりました.2年で乗法の交換法則を学習している(と学習指導要領に書かれている)という主張も,ありました.
2011年から,現在までに,「かけ算の順序」に関連する書籍・論文を見てきた結果として,かけ算の交換法則を,イエスバットの構文のバットの後に使うのが,ネット上の論調なのに対し,バットの前に使うのが,国内外の算数教育の事例に多く出現します.
エスバットの文を具体的に表すと,次のとおりです.

  • 3×5が正解だというが,交換法則があるから5×3も正解だよ
  • 交換法則から3×5=5×3となるが,3×5と5×3とで表すものが異なるよ


算数から離れても,今年は組体操のリスクが語られる際,組体操は「学習指導要領に記載がない」という記述をよく目にしました.
「かけ算の順序は,学習指導要領に書かれていない」と「組体操は,学習指導要領に書かれていない」とを合わせると,ともに,それらを子どもに教える/させるべきではないと,想定する読者=子ども時代の教育を経てきた者に伝えるための根拠として,使われています.
私自身,学習指導要領に縛られて,授業を組み立てたり学生を指導しているわけではないのですが,むしろだからこそ,記載された内容は,どんなことを学習者に新たに取り組ませるかの参考に,大いになっています.
創意工夫の根拠として,使われてきたわけですし,自分も学生や我が子に向けて,活用しています.「かけ算の順序」を取り入れた,大学1年生向けの余談は,古くは2010年12月に,そして今年度の前期にも行いました.
本記事では思うことあって,当ブログの過去記事は1つしかリンクしていません.暇なときに整理してみます.