わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

ガムほしい (2016.01)

ある朝.
  「ママよ,ほな行ってくるが…」
「気をつけてね」
  「たしか今日は,迎えに行かなあかんかってんな,保育所まで」
「そうやねん.行けるかもしれへんけど,何かあったら電話するわ」
  「まあ,たまには保育所へ迎えに行って,さきの子・あとの子・すえの子と歩いて家まで帰るんも,ええかな」
「パパ,ダイエットやで」
  「へいへい.ほな行ってくるぞ」


その日の夕方.いつもと違う駅を降りて,保育所まで歩き,角を曲がり,正門まであとわずかというところで,車から降りる妻の姿が,目に飛び込んできました.
  「お〜い!!」
「あ,パパぁ!」
  「間に合うたんやな」
せやねん.一緒に保育所に入って,お迎えしょっか」
  「へいへい」


そして車内へ.
 「パパ,ガム」
    「パパはガムではないんやが」
 「パパ,ガムください!」
  「ガムください!」
    「うるさいなあ.えっと,ボトルガムは…こっちか.手ぇ出しな」
 「やったあ!」
    「さきの子やな.ありがとうやで」
 「パパ,あ・り・が・と・お♪」
  「パパ,あ・た・し・も♪」
    「あとの子よ,はいはい」
  「あ・り・が・と♪」
    「それでええか.ほな出発するぞ…」
   「パパぁ」
    「ん?」
   「パパぁ,あたしも!!」
    「すえの子,なあ…(1粒取り出し,半分に噛みきって),これ噛み」
    「ん? 取ったんは,あとの子やな.すえの子にちゃあんと,渡したってや」
    「ほな車を走らしてええか…」
   「パパぁ」
    「ん? すえの子よ,もろてないんか?」
   「ない!」
    「あとの子よ,どないした?」
  「ないで!」
    「(あとの子のほっぺたの膨らみが大きい…口に入れおったな)あとの子よ,お前,すえの子の分,噛んどんのか?」
  「ちがう!」
    「どないなっとんねん」
    「誰かがウソをついとんのか? すえの子か?」
   「ちがう,あとのこちゃん!」
    「(相変わらずお姉ちゃんと認めてないっぽいなあ…それはさておき)ほなウソついたんは,あとの子か?」
  「ちがう,すえのこ!」
    「おっかしいなあ.質問を変えてみよか.すえの子は,食てへんねんな?」
   「ちがう,あとのこ! あとのこぉ!!」
    「(呼び捨てになっとるぞ…)あとの子よ,どうや?」
  「ちがう,すえのこ!」
    「違う質問に,2人ともおんなじ答えかよ…まあ,すえの子がガムをもろてないんは事実やねんから,しゃあない,1粒やる.よお味わえよ」
結局あげました.


去年の春は,うえの子:ガムほしい