わさっきhb

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立方体の頂点から正三角形をつくる

いきなりですが問題です.

立方体の8つの頂点から,3つの点をうまく選んで結ぶと,正三角形ができます.
正三角形はいくつつくることができますか.以下のア〜エより選択し,その理由も書いてください.
ア 1
イ 8
ウ 24
エ 48

さっそくですが解答です.「ア 1」を選択するなら,理由は…立方体の8つの頂点から,3つの点を選んで結ぶとできる正三角形について,その1辺の長さは必ず,立方体の1辺の長さの\sqrt2倍となります.どの3点を選んでも同じなので,1種類となります.
「エ 48」を選択することもできます.理由は…立方体ABCD-EFGHを考え,各頂点を区別することとします.このとき,三角形ACHは正三角形です.

以下「三角形ACH」を単に「ACH」と書きます.それと,ACHとAHCとCHAを区別し(それぞれ別の三角形とみなし)ます.
図からでも,各頂点に座標を割り当てることでも,次のことがわかります.すなわち,立方体ABCD-EFGHのうち4つの頂点A,C,F,Hについて,どの2点間の距離も,立方体の1辺の長さの\sqrt2倍です.4つの頂点B,D,E,Gについても同様です.
ですので,A,C,F,Hから3点を選んで結べば,必ず正三角形になります*1.その場合の数は,4×3×2=24通りです.B,D,E,Gも同様ですので,全体としては24+24=48というわけです.
「イ 8」は,このエの求め方のあとで,ACHとAHCとCAHとCHAとHACとHCAを区別しない(同じ三角形とみなす)ことで得られます.ただし,立方体ABCD-EFGHは固定とします.各頂点は区別しますので,ACHとACFとBDEはそれぞれ別の三角形となります(アを選択したなら,それらは同じ三角形です).
エで求めた値を,3!=6で割る(上述の「ACHと…HCAを区別しない」は,いずれの正三角形に対しても適用できます)ことで,48÷6=8となります.
今回の問題と,最後に残った「ウ 24」の元ネタは正方形・正三角形をつくるです.24は勘違いと気づき,つい最近,訂正しました.4つの選択肢を示して1つだけ間違いというのは,正解はウ以外〜関心・意欲・態度を問う四択問題で取り上げたことがあります.
つづきまして問題です.

立方体ABCD-EFGHから3つの頂点を結んでできる正三角形を,辞書順ですべて書き出しなさい.

紙と鉛筆では,ミスが出そうなので,Rubyワンライナーに頼ります.
上記のエについて,順列をすべて生成するメソッドArray#permutationを使えば,苦労せずに書けます.コマンドと出力は以下のとおり.

$ ruby -e "puts ['ACFH','BDEG'].map{|s|s.split(//).permutation(3).to_a.map{|a|a.join}}.inject(:+).sort.join(' ')"
ACF ACH AFC AFH AHC AHF BDE BDG BED BEG BGD BGE CAF CAH CFA CFH CHA CHF DBE DBG DEB DEG DGB DGE EBD EBG EDB EDG EGB EGD FAC FAH FCA FCH FHA FHC GBD GBE GDB GDE GEB GED HAC HAF HCA HCF HFA HFC

この出力より,Aから始まる正三角形が6つ(C,F,Hから2つを選ぶ順列に対応),Bからも6つ,…,Hからも6つで,6×8=48という求め方もできるのがわかります.
イは,コードに少し,付け加えるだけです.

$ ruby -e "puts ['ACFH','BDEG'].map{|s|s.split(//).permutation(3).to_a.map{|a|a.sort.join}.uniq}.inject(:+).sort.join(' ')"
ACF ACH AFH BDE BDG BEG CFH DEG

この場合,Aから始まる正三角形が3つ(C,F,Hから2つを選ぶ組み合わせに対応),Cから始まるのが(A,C,F,Hの4点のうちAを使わないので)1つ,あと同様にしてBからが3つ,Dからが1つ,となるのですね….
順列と組み合わせは,また別の観点で,冒頭の問題の「イ 8」と「エ 48」の選択肢を結びつけることになります.もう一つ,問題です.

立方体の8つの頂点から,3つの点を選んで結んだとき,正三角形になる確率を求めなさい.

順列だと,8つの点から3点を点を結ぶ場合の数は8×7×6=336通りです.正三角形になる場合の数は,「エ 48」です.求める確率は,48÷336=\frac17です.
組み合わせの場合,8つの点から3点を点を結ぶ場合の数は,(8×7×6)÷(3×2×1)=56通りです.正三角形になる場合の数は,「イ 8」です.求める確率は,8÷56=\frac17です*2
「ア 1」からは,\frac17が得られそうにありません.

(最終更新:2016-06-16 早朝)

*1:A,C,F,Hから1点,B,D,E,Gから1点,あと1点を結ぶのでは,決して正三角形にならないことも言えます.

*2:次の問題文も,順列と組み合わせとで式は少しずつ異なりますが,確率は同じです:立方体の8つの頂点のうち1点を固定し,その点と,それ以外から2つの点を選んで結んだとき,正三角形になる確率を求めなさい.