わさっきhb

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横に自動でスクロールする仕掛け

いきなりですが問題です.【 】にあてはまる最も適切な語句を,選択肢から選びましょう.

GUIは,【 】を提供する.

選択肢

  1. ウィンドウマネージャによる直観的な操作
  2. コマンドラインによる命令
  3. 検索エンジンの最適化
  4. 横に自動でスクロールする仕掛け
  5. ページ上のナビゲーション

さっそくですが解答です.選択肢の中で,GUI (Graphical User Interface)と最も関連するのは,「1. ウィンドウマネージャによる直観的な操作」です.これが正解です.
他の選択肢を,見ておきます.「2. コマンドラインによる命令」を提供するのは,CLI (Command Line Interface)で,GUIと対をなす概念です.「3. 検索エンジンの最適化」はそのまま英訳して,Search Engine Optimizationとなり,頭文字のSEOも,Webの技術の分野ではそれなりに認知されています.
なお,GUIは「グーイ」ではなく「ジーユーアイ」,SEOも「セオ」ではなく「エスイーオー」と呼ぶのが一般的です.
残り2つです.「4. 横に自動でスクロールする仕掛け」ですが,Webの技術として近年,「カルーセル」と呼ばれ,活用されています.
PCにせよスマートフォンにせよ,Webページは通常,上下に長く,マウスや指先の操作でも,何も考えず上下にスクロールさせていますよね.
その中に,通販サイトなら売れ筋商品,SNSだったらお勧めユーザなどを,横並びにして,そこだけ左から右に自動でスクロールしたり,マウスほかの操作で左右に動かせたりするものがあれば,その部分がカルーセルです.
ルーセル回転木馬(メリーゴーランド)のほか,空港で預けた荷物を受け取る際のベルトコンベアを意味します.Web技術のカルーセルも,自動で横に進む場合は,しばらくすると最初の画像に戻っていることがあります.なお,カルーセル麻紀さんのお名前とは,英語の綴りがほんの少し,違っています.
「5. ページ上のナビゲーション」について,これを提供するWeb技術もいろいろ考案されていますが,名称として知っておくと面白いのは「パンくずリスト」です.「パンク図リスト」でも「パンク's リスト」でもありません.
表示されるページの上のほうに置かれることが多く,複雑なページ階層の中で,今,どんなところにいるかを教えてくれる情報です.ディレクトリ構造上に配置されたファイルのみならず,Moodleのような,コンテンツをデータベースで管理するサービスでも,表示において活用されています.それぞれの情報は,リンクにもなっていて,クリックかタップをすると,そのページに戻ることになります.
なぜ「パンくず」なのかというと,もとになるのは童話の「ヘンゼルとグレーテル」です.お菓子の家で有名なお話ですが,その前半にですね,兄妹が家から遠くに連れ去られるときに,お兄さんの方が,パンをちぎって,道にぽつりぽつりと,撒いていったのです.そうして遠くへ行っても,そのパンのかけらを見つけてたどれば,元に戻れる,というわけです*1
コンピュータの用語は,ときどき,こういった語源を持つものもあったりしますので,機械的に暗記するだけでなく,辞書やWebの情報も活用しながら,楽しく理解していきましょう.


今回の問題は,後期初回の情報処理科目で,前期科目の「復習テスト」として解いてもらった5択20問のうちの1つです.担当した2つのクラスでは,上に書いたような解説を,かいつまんで行いました.
前期からMoodleを採用していたこともあり,パンくずリストは,ここですよと,画面を見せることができました.
ところで本記事を書きながら,MoodleCMSに分類されるわけで,CMSといえばContent Management System…と思って,念のため検索すると,wikipedia:ムードルには「学習過程管理システム (Course Management System : CMS)」と書かれていました.
Moodleとは何かを言うには,日本ムードル協会にもある「学習管理システム (Learning Management System : LMS)」を用いるのが,無難そうです.

*1:青空文庫http://www.aozora.gr.jp/cards/001091/files/42315_15931.htmlを読みました.「パンくず」という言葉もありますが,1回目に成功した(家に戻れた)ときは,銀貨のように光る小砂利を,前夜に捕っていて,これをもとに帰宅していました.2回目は同じことができず,かわりにパンをちぎって「おとしおとしして」たら,「鳥たちが、みんなつついてもって行ってしまった」となり,パンくずでは戻れないという展開でした.