いきなりですが質問です.
「NHK」を何と言いますか.カタカナ書きにしてください.
回答*1の前に元ネタです.金曜日から日曜日まで,東京に行っていました.この3日間に,「じんもんこん2016」が開催されました.会場は,金曜日が国文学研究資料館,土日は国立国語研究所でした.JRで立川まで行き,多摩モノレールで1駅,そして歩きました.
初日は,「言語研究と言語資源」と題する特別講演を聴きました.講演者は,国立国語研究所 教授・コーパス開発センター長の前川喜久雄氏です.
といったところで回答です.配布資料,そして講演中,スクリーンに大写しされた内容によると,『日本語話し言葉コーパス』の検索結果は次のとおりです.
発音 | 頻度 |
---|---|
エヌエチケー | 132 |
エネーチケー | 24 |
エヌエッチケー | 9 |
エヌエイチケー | 7 |
エヌエチケ | 3 |
エネーチケ | 3 |
エネエチケー | 2 |
エヌエスケー | 1 |
エヌチケー | 1 |
エネーシケー | 1 |
こう並べられれば,NHKのアナウンサーも,「エヌエチケー」あるいは「エネーチケー」と言っているように,思えてなりません.
なお,資料には,「エヌエッチケー」の行と「エヌエイチケー」の行の右に,「発音辞書の見出し」が赤書きされていました.
Webで探してみると,http://pj.ninjal.ac.jp/corpus_center/csj/k-report-f/01.pdf#page=18に,少し頻度の異なる表が掲載されていました.ただし,この文書には作成年が書かれていません.https://ja.wiktionary.org/wiki/NHKでは,「日本語話し言葉コーパス 2005年」において「エヌエチケー (70%) 、エネーチケー (13%)、エヌエッチケー (5%)、エヌエイチケー (3%)」とあります.
言語資源は「言語コーパス」と書かれることもあります.言語コーパスの要件が,1枚のスライドになっていて,なるほど納得でした.書き出しておきます.
- 代表性:対象言語を歪みなく反映している
- 均衡性:対象の多くの変種をカバーしている
- 規模:大規模である
- 真正性:実際に使われた用例である(×作例)
- 電子化:コンピュータで検索できる
- アノテーション:検索用情報が付与されている
- 公開性:誰でも使える(無償でなくとも)
(最終更新:2016-12-13 晩.「問題」を「質問」に変更し,脚注を追加しました.)
*1:本日は,“答え”に対して,それが正解だとか間違いだとかの判断をしたいわけではないので,「解答」ではなく「回答」と表記しています.そうすると,回答のもとになる“問い”は,「問題」よりも「質問」と書くほうが自然ですね.