わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

「ので報告する」は禁止

「本日のゼミで,4年生・大学院生あわせて5名が作成した資料のうち,3つについて,『はじめに』の節の終わりが,『ので報告する.』となっていました.
あまり良い書き方では,ありませんね.
とはいうものの,この表現を使い始めたのは,おそらく私なのです.
イントロではなく,アブストのほうだったはずです.『本稿では』から始まる文が『を開発した.』で終わったら,はじめとおわりの対応が,取れているとは言えません.
そこで『を開発したので報告する.』と書けば,『本稿』で何をしたのかというと『開発したモノの報告』だ,と読み取れるわけです.
いつから使い始めたかは,ちょっと思い出せませんが,ときには自分が,またときには大学院生が,学会発表やゼミ発表で,この表現を使ってきて,こちらも1文1文を,細かくチェックするのが,薄れてきていました.
この機会に,『ので報告する』は,使わないようにしましょう.
『本稿では』と書いたら,『について述べる.』で終わるのを基本とします.
あるいは『を提案する.』を用いるのも,良いかもしれません.その場合,提案するコトを,簡潔でしかも曖昧さがないよう記して文を終えます.続いて,提案したことを実証するような,システム構築や評価実験について,書いていきます.
文頭を変える,という手もあります.『本稿では』に替えて『本研究では』とします.そうすると,『を構築した.』『を開発した.』『を検証した.』といった終わらせ方に,できます.『ので報告する』なんて,書くのが野暮になります.
表現は定番のものを使い,オリジナリティはそんなところではなく,研究の中身で勝負していくとしましょう」