「ん? すえの子は…」
「ひらがなの『ゆ』を,練習してんねんな.練習帳で」
「…」
「無言かよ」
「なぞったり,なぞりなしで3回練習したり,『ゆ』から始まる言葉を,書いたりするんか」
「(パパのほうを向いて)そうやで!」
「『ゆ』から始まるのは……ゆきがっせんの『ゆ』!?」
「ちがう! ゆきだるまの『ゆ』!」
「ほな,ユンボの『ゆ』?」
「(何言ってるのという表情で)ゆみやの『ゆ』!」
「ゆかいの『ゆ』やな」
「あ,無言に戻った」
「パパ,変なこと吹き込まないの!」
「おっと,ママが来たぞ.退散退散…」