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ディレクトリとフォルダ,CUIとCLI

 裏表紙で章と節の見出しを一覧することができ,節見出しはいずれも「○○○と△△△」の形式になっています*1
 ざっと見て,「1.4 ディレクトリとフォルダ」に違和感を持ちました.ディレクトリとフォルダは,ほぼ同じ意味で使われており,この2語の解説をするというのは,不可解なのです.
 むしろ「ファイルとフォルダ」というタイトルにして,それらの違いや使い道を学ぶのがいいのではないかと思いながら,本文の該当する箇所を開きました.この節はp.16から始まり,右のp.17では「ファイルを分類して保存しよう」が大きな文字になっています.
 ということで中身は,「ファイルとフォルダ」でした.
 この節の最後に「「フォルダ」「フォルダー」「ディレクトリ」の違い」がコラムになっていました.分量にして0.5ページ分です.「ディレクトリとフォルダ」を説明するなら,これくらいだよなと思いながら,そのコラムを読んでいくと,そこに何度か,「GUI」と「CUI」が出現するのに気づきました.
 GUI (Grafical User Interface)については,他の語に変える必要もないでしょう.それに対しCUI (Character User Interface)は代替語が思い浮かびます.「CLI (Command Line Interface)」です.
 「1.7 GUICUI」は,p.30より読むことができました.このページのCUIのイラストも,「キーボードから命令を入力してコンピュータに指示する方法をCUI」(p.31)も,やはり個人的な語感として,いずれもCLIです.
 ここで本の外の情報と照合します.wikipedia:キャラクタユーザインタフェースでは,最初の段落に,以下の4つを挙げて同一のものとみなし,それ以降はもっぱら「CUI」です.

 CUICLIは,自分の理解や日常の使用で,同一とは思っていません.わかりやすい違いは,上矢印キーを押したときの挙動です.CLIでは,シェル(bash, zsh)の機能により,直前の実行コマンドが表示されることを期待するのに対し,CUIでは,カーソルを上に移動してほしいのです.カーソル移動で自分が使っているのは,sshLinuxサーバにログインしたあとでの,emacsのファイル閲覧・編集や,GNU Screenのコピーモード処理です.
 CUIであってCLIではない事例を,wikipedia:Cursesの中で見つけることができました.このページには,「CUI」の文字が見当たりません.「CLI」はあるのですが,「cursesを使ったプログラムは、テキストのみの表示デバイスでよくあるコマンドラインインタフェース (CLI) ではなく、一般的なGUIに似たユーザインタフェースを採用することが多く、テキストボックスやスクロール可能なリストといったウィジェットを使う。」という文に出現します.この中の「テキストボックス」「スクロール可能なリスト」や,画像より見ることのできるカラー表示もまた,CLIではなくCUIの特色となるのです.


 以下の記事を書く際にも,「CLI」と「CUI」を念頭に置いていました.ツッコミ対象の文章のタイトルや本文に,「スクリプト」が入っており,テキストボックスやカラー表示などが想定されていないこともあって,CLIのほうを採用したのでした.

*1:ただし,6.4および6.5は本文の見出しと異なっています.