「あとの子ちゃ~ん,ホットケーキできたよ~」
「ここにおるのは,すえの子なんやが」
「たべてるで!」
「せやな.先にホットケーキ食べとるな」
「あとの子に,来いと言うたわけやなママは」
「そうやね」
「パパも言うてみるか…お~い,あとの子よ,食いに来んかったら,ホットケーキがそのうち,ホットじゃないケーキになるぞ~」
「パパなにそれ(笑)」
「でもって,冷蔵庫に入れたら,アイスケーキに…ならんか」
「アイスケーキって,へんなの」
「まあ,変やな.ところですえの子よ,ホットの反対っちゅうたら,アイスやな」
「そうやけど」
「例えば(『喫茶店』って言うたら『何それ』と聞かれそうやから)飲んだり食べたりするところでな,『ホット』って頼んだら,何が出てくると思う?」
「さあ…なになん?」
「ホットコーヒーやねん」
「へえ!」
「せやけどな,アイスコーヒーを飲みたいときには,『アイス』って頼んだらあかんねん」
「あかんのん?」
「あかんねん.関西限定やけどな,ある頼み方があんねん」
「『冷コー』って言うんよ」
「うお,ママが答えを言いおった.せやな.アイスは『冷たい』なんで『冷』っちゅう漢字を使って,んでコーヒーのはじめ二文字で『冷コー』って言うんや」
「あのさあ,パパ」
「すえの子よ,どうした?」
「『アイス』ってたのんだら…アイスクリームにならへんかなあ?」
「ん? ああ,そうなりそうやな.休日に遊んだときには,アイス買うちゃるわ」
「やったあ!」
家族で食事に行くと,子らが食べ残したものを,パパが食べることがあります.その一方でデザート類は,パパの定食についていても,たいてい子らがわけわけして食べます.自分の誕生パーティを兼ねた外食で,デザートを選ぶことができ,「アイスクリーム盛り合わせ」と店員さんに伝えたところ,向かいに座って聴いていた,あとの子が,「もっりもっりアっイス~♪」と連呼を始めました.「お店の中やから,歌うの止めなさい」と言うと,「ちょうだいね」で,歌が止まりました.もちろんあげました.