わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

四面体モデルが1970年代にあった

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四面体,円々...

 上記の件,「積ん読」にしていた本に,類似した絵がありました.

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 以下の本のp.15で,執筆者は多鹿秀継氏です.

 ただし4つの頂点が少し違っています.冒頭に書いた件(『数学教育研究の地平』p.72)は「O:目標」「T:教師」「S:児童・生徒」「M:教材(数学)」なのに対し,今回見つけた本では,「学習者変数」「教授変数」「教材変数」「評価変数」となっています.
 また図1-2の下には「(出所)Jenkins (1979)を参考に作成」とあります.Googleブックス*1を見つけて読み進めたものの,図は出てこず,「このプレビューに表示されません。」のどこかに入っている可能性があります.
 「tetrahedral model of memory experiments」でGoogle検索を行い,「画像」を見ると,画像が見つかりました.Jenkins (1979)の記載は,以下のものと思われます.

 4つの頂点は"SUBJECTS", "ORIENTING TASKS", "MATERIALS", "CRITERIAL TASKS"で,「学習者」「教授」「教材」「評価」と良い感じに対応します.
 この画像を見ることのできるWebページです.

 さて,四面体,円々...では,「料理の四面体」を取り上げていました.電子書籍を読み直しました.

料理の四面体 (中公文庫)

料理の四面体 (中公文庫)

 巻末の「参考文献そのほかについて」に,出典が並んでいますが,料理に関するものばかりでした.出典の並びの直後に,「なお、料理の四面体という奇妙なアイデアじたいは、フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースの著書に多くのものを負っていることをここに記しておきたい」がカギカッコ付きになっていました.その後,何回か,「料理の三角形」が二重引用符付きで記載されています.
 ここから推測できるのは2点で,一つは,『料理の四面体』の著者・玉村氏は,Jenkins (1979)の四面体モデルをもとにしたわけではないこと,もう一つは,Jenkinsによる四面体と「料理の四面体」の両方の起源となるような,四面体モデルは,なさそうということです.


 ロールパンとメロンパンの連立方程式の授業 - かけ算の順序の昔話の終わりのほうに書いた「現実の世界と数理的処理の関係」は,https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/111601/files/2015061900068/h27_2shiryo_3.pdf#page=16で見ることができますが,ファンタジーの法則,1982年だとで紹介した2冊の本の図と,似通っています.これらについて,参照・非参照の関係は分かりません.