家族旅行の帰りの途中,北陸自動車道の新潟県内のサービスエリアに立ち寄りました.
Go To トラベルキャンペーンで受け取った,この日が期限のチケットが,3000円分あり,昼食代に使用しようというわけです.
フードコートの自販機では使用できず,レストランに入ることにしました.しかしレストランは品目が少なめ,そして単価が高めです.あとの子が「おじいちゃんおばあちゃんのところに行く~」と言い,離れたため,レストランに入ったのは,パパ・ママ・さきの子・すえの子の4人となりました.
前払いで,「山賊焼き定食」を4人分,注文しました.一人前は税込み880円でした.チケット3000円と,残りは現金で支払いました.
レストランで最も奥のテーブルに陣取り,店員さんから,水の入った人数分のグラスを受け取って…
「ねえ,パパ」
「ん? ママか,どした」
「なんで『山賊焼き』って言うんかな?」
「なんでやろな.山賊が作って食べた,シンプルな料理ってことかな」
スマホを開いて検索すると,wikipedia:山賊焼がヒットしました.「鶏もも肉を」「片栗粉をまぶして油で揚げる」という料理法と思われます---実際に料理が来て,食べて確認しました.山賊焼きは,(料理屋の)トンカツなどと同じように,縦にスライスされていました.
食事の途中で…
「フードコートで食べてる方は,もう食べ終わったやろなあ」
「そうよねえ」
「んであとの子が,まだかいうて,レストランの入口からのぞき込んだりして」
「あとの子ちゃんやったらそうするで」
「ここでさきの子のツッコミか」
「おいしいなあこれ」
「そっか,よかったな」
大人には適量かもしれませんが,すえの子には鶏肉の量が多く見えました.しかしすえの子は頑張り屋さんです.ゆっくりゆっくり,食べているのを,テーブル越しに見ていると,横から,誰かが腕を揺すりました.
あとの子です.入口からのぞき込むどころか,店内に入り込んでいました.
目当ては,完食したパパの皿ではなく,山賊焼きのスライスがまだ残っている,すえの子の皿です.
ふう,と一息ついてから,すえの子よ,あとの子にやるかと尋ねると,すえの子は首を横に振りました.
あとの子は,さきの子が使用していた割り箸を持って,待ち構えています.
あまり良くない緊張感が,テーブルを支配しました.
ここですえの子が,自分の皿の最後の一切れを,こちらの皿に移動させました.あとの子が取ろうとしたとき,すえの子は「ダメぇ,それはパパに食べてもらうの」と抗議しました.あとの子も,興奮気味でした.
仲裁に入りました.この,最後の一切れについて,あとの子が口に入れて半分を食べ,残り半分はすえの子が食べるように,指示しました.双方納得し,山賊焼きを平らげることができました.
車に乗って,家路を急ぎました.無事故無違反・安全第一です.栗東湖南やら瀬田やら大津やらの,電光掲示の渋滞情報は,我々の車が米原JCTを通過し,名神高速に入ったところで,幸いにもなくなっていました.