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「6通り」の樹形図

 いきなりですが問題です.次の樹形図について,場合の数は何通りでしょうか.式と答えを書いてください.
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 本記事では,樹形図の「場合の数」は,その末端となる要素の数をカウント(または計算)して求めることとします.グラフ理論wikipedia:木_(数学))の用語を使うなら,葉の個数を数え,葉でない根や節点は除外します.
 といったところで解答です.場合の数は「6通り」です.式は,3通りが思いつきます.

  • 2+2+2=6
  • 2×3=6
  • 3×2=6

 たし算の式は,真ん中の列から伸びている要素が,2個,2個,2個になっているので,足し合わせて得られます.「2×3」は,「1つ分の数×いくつ分=ぜんぶの数」に基づき,かけ算で表したものです.
 かけられる数が3になる式は,次のように考えます.左端だけで1通りとみなし,それが真ん中の列では,3通りに「枝分かれ」しています.真ん中と右端の列を比較すると,真ん中のそれぞれが2通りに「枝分かれ」していて,これを「×2」で表せるので,「3×2」となるのです.
 ここまでについていくつか関連情報を書いておきます.(1)の樹状図はツイートで見たものです.2×3の式は,いわばボトムアップアプローチに基づく立式であり,{}_4P_4の順列の総数が「6×4」で表される場面を中心に,算数における順列・組み合わせの扱いについて - かけ算の順序の昔話で集約を図りました.それに対し3×2はトップダウンの考え方と言え,小学校教師向けの出版物だと例えば『新版 全授業の板書例と展開がわかるDVDからすぐ使える映像で見せられる まるごと授業算数 6年』のp.212で見ることができます.樹形図の書き方のコツと注意点 中学受験で「場合の数」をマスターする! – 中学受験ナビには「4×6=24」,場合の数は樹形図の書き方を理解すればマスターできるには「6通り×4=24通り」という,かけ算の式が,出現します.場合の数から離れて,ある場面に対するa×bとb×aの対比を,海外文献をもとにかけ算と構造で紹介しており,昨年出版された『深い学びを支える算数教科書の数学的背景』では異なる取り上げ方がなされています.
 続いてですが問題です.次の2つの樹形図について,場合の数は何通りでしょうか.式と答えを書いてください.
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 いずれも「6通り」です.2つ,3つと枝分かれしている(2)の樹形図で,場合の数を求める式は,「3+3=6」「3×2=6」「2×3=6」が考えられます.右の列が3つ,1つ,2つという,(3)の樹形図は,かけ算で表すのが困難で,式はたし算の「3+1+2=6」だけでよいでしょう.
 さらにですが問題です.ここまでの3つの樹状図で表されるような文章題を,それぞれ作ってください.
 さっそく,解答です.左・中・右と,3つの列があるので,「3桁の数」で文章題を考えたいところです.左端(根)は1つだけであることも,活用します.問題(文章題)と答えは,例えば次のようになります.

  • (1)の問題:3桁の整数を考えます.どの位の数も,6以下で,0は現れません.百の位は1です.十の位は1か2か3です.この整数は3で割り切れます.このような整数は全部でいくつありますか./答え:6通り(111, 114, 123, 126, 132, 135)
  • (2)の問題:3桁の整数を考えます.百の位は1です.十の位は3か4です.この整数は3で割り切れます.このような整数は全部でいくつありますか./答え:6通り(132, 135, 138, 141, 144, 147)
  • (3)の問題:3桁の整数を考えます.百の位は1です.十の位は3か4か5です.この整数の約数は,1とその数だけです.このような整数は全部でいくつありますか./答え:6通り(131, 137, 139, 149, 151, 157; wikipedia:素数の一覧

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