「ただいま…」
「返事なし,か」
「お,テーブルに,おかずのお皿は人数分,あんねんな.チキンカツっぽいな…」
「パパおかえり」
「あとの子よ,ただいま.ママは?」
「わからん(出ていく)」
「そっか.まあすぐ帰ってくるやろ」
「あとなんかここにハッピーターンがあるなあ.封は開いてて,食たあとの包みを入れとるが,中身もあるんか…いやいや,晩ごはん晩ごはん」
ほどなくママや子らが食卓にやって来ました.
ママの指示で,ある者はご飯をよそい,ある者は箸を並べ…
「ん…パパなんか,することあるか?」
「本音としては,手伝ってほしいねんけど」
「せやな.なんかしたいなとは思たが…」
「パパが不意に立ち上がったり,手ぇや体を動かしたりしたら,これまた突然の行動をとる子どもらと,ぶつかってしまうんよな…」
「じゃあパパ座っててよ」
「へいへい.あ…そうや! 『つまみぐい』の監視係っちゅうのはどうか?」
「(手を動かしながら)なにそれ」
「みんなでいただきますより前に,食べようとする子ぉがおったら,『あかんで』って言う係,な」
「(あきれた表情で)それでええよ」
何やかやあって,ふたたび食卓には自分ひとりとなりました.
あとの子が来ました.
「みんなは? お前,座らんのか?」
「あ,もうちょっと,することあんねん」
「ふーん.まあ,パパはみんな来るの待つよ」
「あっそうそう(ハッピーターンの袋をがさごそして1個取り出す)」
「おいおい,食たらあかんがな,晩ごはん前やのに」
「それとこれとは話が別!!」