「それでね,聞いてほしいんやけど」
「ん,どした?」
「それがやね,お庭で…」
「あ,ママのご飯に,ふりかけやん,ちゃうわ,」
「これ,ふりかけとちゃうんやで,混ぜ込みわかめ」
「パパにも袋くれる」
「はい,かけすぎたらあかんで」
「どんも.上を開けて,ご飯の上で,とん,とん…と.こんなもんかな」
「で,聞いてくれる?」
「(封を閉めて)えっと,お庭やな」
「あたしもほしい…」
「あとの子も,ほしいんか.ママ,渡してええか?」
「ええよ」
「ほら」
「やったぁ.ありがと」
「かけすぎたらあかんで」
「(開けて)こんな感じ?」
「そこまで」
「もっとかけたい!」
「うーん,とにかくこれ,ふりかけとちゃうからなあ」
「ふりかけでも,かけすぎはあかんねんからね」
「せやな,ママの食う分が,減るからなあ」
「そんなんとちゃんわ!」
「すまんかったすまんかった.お庭の話に戻そか」
「せやね」
「やっぱりもっとかける!!」
「あかんって言ってるでしょが!!」
「ママの話,さえぎるの天才やなお前」
「え~,これ,少ないやん」
「十分なの! 食べてみ」
「せやな.これ,ご飯と混ぜたら,柔らかなって,食べやすなるから,やってみな」
「(不機嫌な顔で混ぜる)」
「お庭でな」
「猫でもおったんか」
「そやねん.洗濯物,持ってるあたしの通路をふさぐようにしててん」
「あれか,ママが近づいても動かんのんか」
「あー!! あとの子ちゃん,なんでまた開けてかけてんの!!」
「だって,味,うすかったもん」
「そんなことないの! それで十分! 塩分多すぎて,体,悪ぅなる!!」
「ほしいなあ…」
「ほな,お茶碗にご飯を追加したらどうや」
「いや.太る」
「塩分やなくて糖分を気にする年ごろってか…」