「さきの子よ,今日はずっと家におったんか?」
「そやで.どしたん?」
「いや,玄関,鍵かけてたやんか」
「うん…ママが,基本かけといて,パパが帰ってくるときだけ開けるんやでって言ってたし」
「まあそいでええかな」
「おっと,廊下を歩く物音や…あとの子やな」
「(ドアを開けて)パ~~パ~~~♪」
「(なんか歌ってるなあ.オペラ調か?)」
「これは~ママから~~,じゅう~でんき~~~♪」
「(ああ,出かけるいうんで,スマホ充電に必要な機器やケーブルを,巾着袋に入れて,渡してたんやったっけ)」
「みどり~いろの~,ぬの~ぶくろ~~~♪」
「(こっちも歌いながら返答せなあかん雰囲気やがな…)」
「は~い~,どうぞ~~~♪」
「(立ち上がって右手を前に出し)どうも~~,あ~り~が~~とお~~~♪」
さきの子とあとの子が倒れ込んで笑い出しました.
「あかんか?」
「ちょっとパパ,音痴なん?」
「いや,即興で,歌ってみただけなんやが」