「えー,卵ご飯,うちあかんの~?」
「卵かけご飯にしてええよ.けどな1個を,あとの子ちゃんが使こたらあかんねん」
「そやでー」
「パパに半分,卵,あげてくれる?」
「えー!?」
「な,パパ,食べたがってる表情やん」
「(苦虫を噛みつぶしたような表情)」
「ちゃうでこれ」
「パパと半分ずつにするか,今日は卵食べやんか,どっちかにしなさい」
「はーい.戻すわ」
「おっ,あとの子も座った」
「はーい.いただきまーす」
「んで,なに,卵,持ってないんか?」
「さっき戻した」
「そっか.ま,ママとすえの子に,あそこまで言われたら,食べにくいよなあ」
「…」
「あとの子よ,お前が台所に来る数分前のことを,パパ目線で話すゎな」
「まずやな,すえの子が,冷蔵庫から卵を1個取って,それから席についたんや」
「ほいで,ちょうど向かいに座ってるパパがやな,『たンまンご』って言うたんよ」
「そのときママはやな,ゴミ捨てに行ってたんやけど…」
「パパの『たンまンご』は耳に入ってて,一人で食べたらあかん,ママと半分ずつやでってなったんや」
「そうやねん,ママがぼっ収してん」
「んで今まあ見りゃわかるように,ママとすえの子のご飯が,黄色なってるやん」
「これな,卵半分ずつの結果やねん」
「当たり前やん!」
「あとの子もな,卵1個を独り占めしたらあかんっちゅうことやってん」
「(左隣のすえの子の肩を手のひらで叩いて)ドンマイ!!」