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大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

「誠実さ」と「自主性」を組み合わせると

「誠実さ」と「自主性」は,どのように行動すべきかという学生から見れば,切り離せない関係にあります.誠実に行動する,すなわち指示に応えるには,内側の自主性が必要です.自主性を発揮するには,何をしなければいけないか,どんなリソースがあるか*1という,「枠」あるいは「コンテキスト」を明らかにしておかないといけませんが,その中に,指導教員からの指示に応えることが含まれるはずです.
なのですが,「誠実さ」と「自主性」は,独立した事象とみなすことができます.すなわち学生の行動や考え方を見て,以下の4種類に分類できるわけです.

  • 「誠実さ」が十分あり,「自主性」も十分ある学生…研究,開発,企画,営業など,どこに出しても恥ずかしくない人材です.
  • 「誠実さ」は十分あるが,「自主性」に乏しい学生…研究職には向いていないかもしれませんが,研究室の一員として,私の無茶な要求によく応じてくれていると思います.卒論・修論完成まで,がんばりましょう.そして社会での活躍に期待します.
  • 「誠実さ」に乏しいが,「自主性」は十分ある学生…研究者向きのように見えますが,一つの研究を完成するには,さまざまな苦難を乗り越えるため,最もリスクの少ないアプローチ,すなわち「誠実さ」が求められます.自分がこれに当てはまっているなと思ったら,まずは「自主性」や「我」というのを少し抑制して,指導教員の指示を見直し,何をしてほしいか推し量り,その上で「自主的」に行動してください.
  • 「誠実さ」に乏しく,「自主性」も乏しい学生…そのまま行けば研究が完了できず,留年する可能性があります.研究室に来づらくても,顔を出すなり,机に向かうなり,先生からのメールをじっくり読むなりの習慣をつけてください.私は「誠実さ」を「自主性」よりも重視すると表明していますので,誠実さとは何か,先生の要求する誠実な行動とはどんなものなのかを考え,行動してみてください.初めのうちは,「それはしないように」など,自分なりに考えてとった行動が否定されることばかりかもしれませんが,コミュニケーションを重ね,軌道修正をしていくことで,その頻度が減ることになります.それが,「誠実さが見られる」ということです.

*1:使用できるソフトウェアやデータが何か,という意味の「空間的リソース」だけでなく,いつまでにしなければならない(何日,何時間の余裕がある),という意味の「時間的リソース」にも注意しましょう.