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年間イベント(卒業研究)

4年生は,研究を進めていく中で,「これで卒業研究になるのか?」や「卒業論文は何ページ書けばいいのか?」といった疑問で大いに不安になることでしょう.
ページ数については,学科としての方針は「ページ数には上限も下限もない.内容が整っていればよい」でして,私は「表紙,概要,目次,本文(図表を含む),謝辞,参考文献を入れて*1,25ページあれば標準的」を添えています.
卒業論文は,A505の棚に,過去の先輩の卒業論文が並んでいるので,それを見て参考にしてください.
しかしこれだけでは,「自分のやっていることが,卒業研究になるのか? やったことを文章にすれば,卒業論文になるのか?」に対する答えは出てこないように思えます.
何をすれば研究と言えるのかは,難しい問題ですので,今回はその検討を省略することにします.断片的には,これまでこの日記でいろいろと書いています.一例を挙げると,「何を対象にして」「何を用いて」「何をするか」です.
ここでは,卒業研究完了まで,1年間に何をすることになるかを書いていくことにします.ただしあくまでこれは標準的な進み方であることに注意してください.
研究グループでは,4月上旬に,年度の研究テーマを提示します.4年生は,3年生の活動と同じテーマを選んでも,異なるテーマを選んでもかまいません.
多くの4年生は,4月〜5月は就職活動を重視することになるでしょう.私もそれは致し方ないと思っています.定例ミーティングの時間は設定しますが,就活で欠席の場合は,あらかじめその旨と,進捗を,メールで送ってください.大学院に進む人は,就職活動のない分,4月〜5月にスタートダッシュをはかりましょう.
定例ミーティングをいつするかについては,研究プロジェクトごとに設定します.毎回,宿題を出します*2.議事録作成もお願いすることになります.
研究と別に,研究グループの4年生は,4年ゼミとして,「プロコン(ACMプログラミングコンテスト)」の課題を解いてもらいます.このゼミを通じて,英文の課題を読みこなす能力,課題を解ける形に表現してプレゼンする能力,Cでコードを書いて正しく動くようにする能力を磨きます.これは夏休み前まで,週1コマの時間をとって実施し,一人当たり3回,発表してもらいます.
3年生のとき,2月に,それぞれの活動報告をプレゼンしてもらいましたが,卒業研究についても,夏休み前と冬休み前に,同様の報告をして,何をしているのかを相互に知ってもらうつもりです.それと同時にこの活動は,卒業研究発表会で,分野について決して詳しくない他の先生方に,自分の内容を理解してもらうための基礎となります.
年度の初めのうちは,プランニングや,研究対象の詳細化が中心になりますが,そのうち,設計を経て,実装(コーディング)をすることになります.1年間は短いです.定例ミーティングで2回連続して「実装中です」や「検討中です」といった,モノが見えない報告をするのはまずいと考えてください.デモンストレーションが最もよい進捗報告ですが,それが難しければ,どんな処理をしていてどんな情報が出力されるかを紙に打ち出して,ミーティングで配布し,口頭で補足してください.
主要なシステムあるいは機能のコーディングが完了するのは,学生の能力や,設定したテーマによって異なりますが,12月まで*3を目安としてください.1月は評価実験,そして卒業論文の執筆です.
例年,2月の最終週のある1日で,卒業研究発表会をします.学科の卒研生が60人いれば,3つの部屋に分かれて,1部屋あたり20件の発表があり,あなたはその1件です.分け方は学籍番号ではなく,指導教員ごとに分かれます*4.厳しい先生に当たっても,15分の時間内で発表と質疑が終えられるよう,研究成果を整備し,しっかり準備しましょう!
日程が前後しますが,卒業研究発表会の数日前に卒業論文提出期限deadline for graduation thesisがあります.この期限は1分でも超えると,受理されませんので,日時と提出場所を間違えないようにしましょう.
発表が終わっても,安心しないように.内容に不備があれば,再発表を言われることがあります.例年,学科で1〜2名出ています.我々の研究グループではこれまで…というのは言わないほうがいいでしょう.そして,発表が完了したら,成果を学科で保存しておくため,卒業論文を2穴バインダに綴じて1部,それとPDFファイルを提出します.2穴バインダは2月に一人あたり2冊配られます.1冊は学科提出用,もう1冊は研究室保存用です.

*1:付録が入ると,うんと増えることがありますので,ここでは除外します.

*2:私自身に宿題を出すこともあります.これがあるプロジェクトは,先生も時間を割いて問題解決に携わっているのだと感じ取ってください.ないプロジェクトについては…学生を信頼しているか,私にとって取るに足らない(学生のための研究を支援している)かのどちらかです.どちらかなのかは顔に出しませんが,前者と思っておくほうが,幸せだと思います.

*3:一般に「年内」と表現されます.「年度内」というと,3月までを意味します.

*4:2005年度までは,研究グループごとに分かれていました.2006年度は,研究グループごとの分割を前提に,一部は指導教員で分けられていました.2007年度は,完全に指導教員で分かれることになりそうです.