わさっきhb

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初めての座長

電子情報通信学会総合大会で座長を務めました.
学内では,卒業研究の司会進行をしていますが,学会でというのは初めてで,いろいろなことを学びました.
メモしておきます.

経緯

1月下旬に電話がありました.
学生が発表を申し込んだ件で何か不備があったのかなと思って聞いていると,その発表日に来場するのなら,座長をやってほしいとのこと.戸惑いながらも,いい経験になると思って,承諾しました.

座長席につくまで

当日,総合受付にて,郵送で届いた引換証を渡すと,目次冊子と名札を受け取りました.
名札には氏名と所属を書くほか,「講演者」「座長」「聴講者」のいずれかを丸で囲むのですが,ここは「座長」です.鉛筆書きなのが恥ずかしいです.
発表する学生とともに,発表の部屋へ.
ちなみに,私が座長をする担当は,D-7-1からD-7-4の4件です.指導している学生が発表し,私も共著者になっているのは,D-7-7です.
原則として,座長を務める発表の中に,座長が共著者に含まれることのないよう,学会のプログラム担当者が発表順や座長の割り当てを決めるものです.今回は見かけませんでしたが,例外的に,座長が共著者で,発表者の名前を言うときに苦慮しているシーンも見かけたりします.
部屋にはだれもおらず.部屋の中央横,前から2列目のところに,机に大きく「座長」と書かれた紙が貼ってあるのを見つけました.これが座長席ですね.

座長マニュアル

机に貼られた紙には,心得が書かれていました.覚えているのは:

  • 時間管理も座長がする.
  • 若手発表者については表現方法のアドバイスもする.
  • 各発表について,発表後か質疑の中で,座長は内容についてコメントする.
  • 質疑で発表してもらう人には,所属と名前を言ってもらう.

さて時間管理はどないやり.念のため,座長の友はインストールしてきたのですが,ノートPCを出してみると,いい位置にコンセントがありません.発表者用テーブルタップに挿し,PCに接続したものの,ケーブルが浮いてて,これは人にぶつかるな,と,引っ込めました.

補助員さんからもらったもの

補助員さんが来ました.パーカーが,受付で見かけたものと同じ.わかりやすい.
タイマーとベルをもらいました.
タイマーの数字は2桁表示.分しか出ません.秒が出ません.
ベルは,指輪式といいますか,中指を輪っかに入れて,人差し指を曲げて支え,親指で引き金を引いて話して「チン!」と鳴らすものです.
それと,用紙が1枚.
奨励賞候補者について,座長は発表者情報と,5段階評価を書かないといけないようです.奨励賞の投票箱は,受付で見かけましたが,まあそれだけでは組織票の問題があるのでしょうね.座長評価と合わせて,選出するようです.
5段階評価の基準は,説明だけでなく,その割合(パーセンテージ)も書かれていました.一番良いランクの5が5%.あとは,4が10%,3が30%,2が40%.1が15%.基準の説明文はほぼ忘れましたが,2が「普通」で,1が「今後に期待する」だったかな.

タイマーの妙

さて本番.定刻少し前に,進め方をアナウンスしてから,発表を始めてもらいました.いずれも単著ではなく共著で,学会発表は初めてという学生さんも,高名な大先生もいらしたと思うのですが,全員読み上げ,「名字+様」で統一しました.
タイマーですが,「15」(分)にあらかじめセットされていまして,「START/STOP」のボタンを押すと,さっそく「14」に減ります.2桁の数字のほか,小さな星印が点滅していて,1回の点滅で1秒のようです.
もう一度,机に貼られた座長マニュアルを見ると,発表終了の2分前に1回のベル,発表終了で2回のベルを鳴らすものとし,タイムテーブルには手書きで「7」と「5」が添えられていました.7になったとき,5になったときに鳴らせということですか.
発表に耳を傾け,興味深い情報で予稿にないものはメモをとりながらも,残り時間の数字の解釈はおかしいぞと感じました.例えば2分前であれば,「7を終えたとき」,言い換えると「6に変わった瞬間」というのが,ちょうど8分経過したときのはずです.同様に,発表時間終了も,「4に変わった瞬間」のはず.で,実際そのように運用しました.
質疑はいずれも盛り上がりました.それで残り時間を見ると,「43,42,…」となっています.残り1分を切ると,秒が出てくるのでした.そして「0」になったら,タイマからの音が,部屋に響きます.これぁ指輪ベルがいらないな,と思いつつも,鳴らしました.

ご討論に感謝

質疑を開始する表現は,座長により異なりますが,私については「(発表者に)ありがとうございました.(座席を向いて)ただいまの発表につきまして,質問・コメントをお願いします」です.
卒研発表会なら,教員と目を合わすのですが,勝手の知らない学会発表,照準が定まりません.誰も手を挙げなかったらどうしよう.最初に座長からか,誰から見ても若造の,この俺が何か言うのか? …
そうすると,横の机の座席におかけの先生から,質問がありました.そうして,ディスカッションがにぎやかになりました.私も,各発表者について,実験協力者や,実現方法についての質問をしまして,その回答が,他の方からさらに突っ込んだ議論を誘うものになったりしました.発表者が解答しづらく,共著者の先生がコメントすることも,空気をつかんできちんと対処できました.
そんなこんなで3件終了.4件目は,残念ながら欠席ですが…定番表現の「最後に,ご発表の方,ご討論に携わった方々に感謝の気持ちをこめまして,拍手をしたいと思います.どうもありがとうございました(ぱちぱちぱち)」で締めました*1.初めての座長として,この感謝の気持ちは切実なものでした.

アフターフォロー

書類を補助員さんに渡して,義務はおしまい.
なのですが,休憩時間に入ってすぐに,4件目の発表の共著者ではないけれど,同じ所属の人がお越しになり,発表キャンセルの事情を,入口の補助員さんに説明していました.
私も,自分が座長だと明かした上で,聞かせてもらいました.「欠講」については,手続きは補助員さんに任せて安心なようです.

*1:これを言うことは,座長マニュアルになかったのですが.まあ読み落としの可能性もあります.