わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

プレゼン コメント 2009-6

ぞんざいな言葉

発表内容とは別に,聞いてて,気になる表現がふたつあったので,先に指摘しておきます.
一つは,金銭について,「金(かね)」と言っていたことです.
あなたが就職して,上司でも部下でも,社外の人にでも,「金(かね)」という言葉をつかうと,その途端に,この人は金銭を粗末に扱う人だという印象を持たれ,あなたの知らないうちに,距離を置くようになるでしょう.
金銭のこと,生死のこと,人間関係とりわけ男女関係のことは,取扱い注意の概念であり,それぞれオブラートに包んだ言い方,無難な言い方もありますし,品性が分かる言葉遣い,ダイレクトに言うと「下品」な表現もあります.
研究発表において,それらの概念を直接言うことは滅多にないのですが,どうしても言わざるを得ないときは,言葉を選びましょう.「金(かね)」は,不用意であり,最悪です.
それともう一つ,教員を「さん付け」で呼んでいましたが…教員の「さん付け」は,研究室内などの閉じた中での会話で,その先生がそう呼んでいいよという信頼関係があるときくらいに限られます*1
研究発表をする際にはですね,教員への敬意を示すとともに,そういうところで波風を立てないよう,教員には「先生」という敬称を付けましょう.

くん付け

えっと途中で,研究室内の学生の協力を得ていて,名前を「くん付け」で紹介していましたが…まずいです.
学籍番号上,その人のほうが1年先です.なので同輩ではないのです.
では代わりにどう言えばいいかですが…
一つの言い方は,呼び捨てです.日本の会社社会では,社外の人に自社の人のことを言うときには,社長であっても呼び捨てにするという習慣があり,これを借用するわけです*2.まあそれでも,学生が教員について言及するときは,「先生」を付けるのが無難ですけどね.
もう一つの言い方は,人物名を明かさないことです.「協力を得た人」「協力者」など,要は匿名にするということです.まあこれも,日本の文化に基づく慣習なのかなと思います.
研究室内なら,当事者間で同意というか,信頼関係を得られていれば,目くじらを立てません.先輩に*3,くん付けだとかちゃん付けだとか,下の名前で呼ぶことも,ニックネームも,まあいいでしょう.繰り返しますが,信頼関係が前提です.
研究室の外での発表では,いずれも不可です.不可です.

*1:教員がいない状況での会話もありますが,その是非をこちらから判断することはできません.そういえば学生時代,「TK」という隠語があったなあ.

*2:ある学会発表で,スケジュールの都合上,発表者の所属が同じというときに座長が,学生はもちろん教授であっても,呼び捨てにしていたこともありました.

*3:大学を離れた,昔むかしの話ですが,ある女の子が2人,いつも仲睦まじくしていて,高校の先輩後輩だったそうですが(面識があったころにはともに高校を卒業していました),一人が,もう一人を「あたしの所有物やねん」と言っていたときは,へえまあそういう人間関係もおもしろいなあと思ったものですが,あるときに,「所有物やねん」と言ったほうが後輩,所有物と呼ばれて平然としていたほうが先輩と知ったときには,驚愕しました.