条件付き確率の読み方
「えっと,条件付き確率の式を『BのときのAの確率』と言っていましたが,P(A|B)と書いたときの『|』の読み方,知ってますか? …
givenと言います.ま,そういう言い方もある,くらいでいいのですが.
情報理論の科目で,条件付き確率は出たと思うんですが…
私もこれを聞いたのは学部だったか大学院だったかの講義で,どこかの教科書に|をgivenと読むと書いていたわけではないので,俗称か,一部表現を端折った和製英語なのかもしれません.
ただ,もしかしたら卒研発表会で,givenという言い方を交えて質問する先生もいるかもしれませんので,まあ今のうちから,知っておいてください」
このコメントをした次の日,本棚にあった,数学の辞書を引いて確認しました.givenは見出し語になく,条件付き確率については,付録の「1. 記号・式の英語での読み方」の最後のページにありました.
Pr(E|F); P(E|F) Probabirity of E under the condition [when] F
(数学英和・和英辞典, p.358)
AIとかゼミとか - NEXT LEVELというのも引っかかりました.
「conditional probability "under the condition"」を与えて,ウェブ全体を見ると,Wikipediaの英語版の解説が見つかりました.
Conditional probability is the probability of some event A, given the occurrence of some other event B. Conditional probability is written P(A|B), and is read "the probability of A, given B".
(wikipedia:en:Conditional probability)
といったあたりで,プレゼンのコメントを変更.
- 条件付き確率の「|」をgivenというのは,ある程度普及している.
- なのでP(A|B)と書いたときの「|」をgivenと読んでもいいし,そういう呼称を認識しつつも,「Bが与えられたときのAの確率」「Bの下での*1Aの確率」といった言い方で通すのでもいい.
あと,Unixの世界において,「|」の文字を「パイプ(pipe)」と呼ぶのは,数年前に4年ゼミで他の先生がおっしゃっていました.
*1:「〜の下で」は「〜のしたで」ではなく「〜のもとで」と言います.