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大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

4冊

社会的な身体~振る舞い・運動・お笑い・ゲーム (講談社現代新書)

社会的な身体~振る舞い・運動・お笑い・ゲーム (講談社現代新書)

第2章と,その直後のノートが,読みづらかったのですが,第3章(お笑い文化と「振る舞いモデル」),第4章(ゲーム性と身体化の快楽)は,おおむね著者の意図が読み取れたと思います.
タイトルからは分かりにくいですが,『メディアとは何か』(p.5 はじめに)という問題意識が,この本の根幹をなしています.このことに少しでも関心がある人に,おすすめの本です.

元素生活 Wonderful Life With The ELEMENTS

元素生活 Wonderful Life With The ELEMENTS

『ハロゲン 略して ハゲ』(p.39),組体操で分子を表現(pp.168-169)がみどころ.
あとは,各元素の英語と漢字が載っているなど,事典として楽しめる本です.

科学者たちの奇妙な日常 日経プレミアシリーズ

科学者たちの奇妙な日常 日経プレミアシリーズ

ドクターコースの学生が,自分の研究の合間に,大学の先生はどんなことを考えて(あるいはどんなことは当然知っているものとして)研究をしているのかを知るのに,ちょうどいい本だと思いました.さくさく読めます.
ただ,『教授でも准教授でも講師でも,自分自身の研究室を持っている場合には,PI (programmed instruction)と呼ばれたりします』(p.129)にはびっくりしました.こういうときのPIは,principal investigatorの略です*1

引用する極意 引用される極意

引用する極意 引用される極意

引用の作法や,参考文献(書誌情報)の書き方にとどまらず,引用すること,あるいは引用してもらうための背景知識が充実していて,研究室に1冊,置いておきたいものです.とりわけ私の研究グループでは,情報工学情報科学だけでなく,バイオ,医学,文学などの文献を読んだり,ひょっとしたらそれらの分野に(共著者として)寄稿に協力することになるかもしれないので,文献・引用という観点で,他分野の考え方を理解するちかみちになりそうな期待があります*2
文系と理系で,引用の考え方の違いとして,「文系の研究者は引用重視,理系の研究者は被引用に関心」(p.128),「文系は教典型・積分型,理系は速報型・微分*3」(p.131)には感動しました.
論文ごとの参考文献,書誌情報のスタイルをコントロールするものとして,BibTeXを連想するのですが,この種のツールについての紹介が一切なかったのが,残念なところです.

*1:というものの自分も,長いこと,principle investigatorと間違って覚えていました.英語圏でも,Business Writing: The Principle Investigator? Help!という指摘が見つかりました.

*2:とはいえ,その分野を知るための王道は,論文を多読・精読することなのですが.

*3:『速報型は,先行者のテキストは自明として省略し,著者が自分の寄与分のみを出版するものです.』