- 最初のキーワード
- システムの構想
- 提案型研究の「本研究の成果」の書き方
- webはWebに
- 例を
- 件数
- XMLのフルスペル
- 5段階評価の平均
- 敬語にしない
- お礼メール
最初のキーワード
内容梗概のページのおしまいに,キーワードを入れていますが…
キーワードは「研究の独自性」を凝縮したもの,というよりは,多数の論文の情報を,Excelファイルなりデータベースなりに入れておいて,そこから検索するってときの補助情報なのです.
独自性も大事ですが,それはタイトルや概要,本文から,見つけてもらえばいいのです.SEOとは言いませんが,検索で引っかかってくれるかにも,配慮したいものです.
慣例として,最初のキーワードは,研究分野として一般に知られているものを選んでください.
システムの構想
言ってみれば,手法提案型の研究として取りまとめるのですね.その方針は,良いと思います.
ただ,システム実装を中心とする研究でないてしても,提案手法を使って,ユーザどんなふうに見せるか,使ってもらうかについての「システムの構想」は,例えば考察の中か,考察と別に節を作って,書いておきたいものですね.
提案型研究の「本研究の成果」の書き方
「1.3 本研究の成果」の書き方ですが,おおむね次の流れにしてください.
- 本研究で提案する手法の特長は次の通りである.……
- そして提案手法を用いて実際に……
- さらにその有効性を確認するため……
要注意語は「特徴」ではなく「特長」なのと,「実際に」という副詞です*1.
webはWebに
「web」ですか,論文全体で統一していたら,まあ良しとするかと思ったのですが…
Web上の用語辞典や,英英辞典を引く限り,「Web」が最もポピュラーですので,キャピタライズしといてください.
例を
読み手に「どんなものを対象とした情報処理をしたいのか」をイメージしてもらえるよう,準備の章の中で,研究対象の「例」を出してください.
写真や,Webブラウザだとかターミナルだとかのスクリーンショットでもかまいません.
テキストファイルなら,Word上で箱囲みのテキストを書くのでいいでしょう.
件数
もう一つ.準備の章の中で,研究対象の「件数」を挙げてください.白書か何かで,ある時点までの総数が知られているのなら,引用したいところです.1年あたりや1日あたりの数が推計できるのなら,それでもいいでしょう.
重要なのはここです:そういった数値を出した上で,手作業では困難であること,計算機を用いた,機械的作業が不可欠であることを,アピールするのです.
XMLのフルスペル
CGIだとかXMLだとか,頭字語については,括弧書きでそのフルスペルを明記しておきましょう.
ちなみにXMLですが,「XML (eXtensible Markup Language)」ではなく「XML (Extensible Markup Language)」と書きます.
5段階評価の平均
5段階評価で,16人の平均をとって,表にした.というのは分かるのですが…
小数点以下の扱いがばらばらなのは,改善したいところです…どこを見ているか,分かりますか? あるセルは4,別のところは4.0625になっていますね.
すべて,小数第2位を四捨五入して,「x.y」の形で表してください.割り切れたときは「x.0」です.全員5なら「5.0」,全員1なら「1.0」です*2.
元ネタ:http://twitter.com/takehikom/status/8578893694
敬語にしない
論文の本文には,敬語表現を入れないように.
実験の説明で,「16名の方」と書いていましたが,そこは「16人」とします*3.
「回答をいただいた」のところも,「回答を得た」です.
お礼メール
あちらの先生のところで,いろいろアドバイスを得たのを,Wordに打ち込んでいるんですね.うん,電子化して残しておきましょう.
いつもの議事録形式にしておいてください.参加者は,あちらの先生が筆頭ですよ.お名前は,もらった名刺を見直しといてくださいね.
といっても技術者間のディスカッションではないので,この議事録をお送りするというわけではありません.
あちらの先生に,お礼のメールを送っておきたいところですが…
何形態かあります.まずは基本で,かつ社会人になれば当然の方法なのですが,終えて帰宅したら(もしくは研究室に戻ったら)その日のうちにメールです.これは,本文に実態はあまり伴わない,シグナルとしての情報発信です.家族で,親類の家に行ったとき,家に帰ってきたらすぐお母さんが,その親類のおうちにお礼の電話をしていますよね? あれです.
2番目は,アドバイスをもとに,こういう方針で進めていきますというのを添えて,ありがとうございましたのメールを送るのです.当日ではなく,数日後となります.時点としては,我々はこれをできる状態にいるのですが…するかね? んでも,方針が固まったってわけではないからなあ.
3番目はですね,卒研発表会を無事終えてから,「無事に発表を終えました.ありがとうございました.今後ともご指導のほどよろしくお願いします」といった趣旨のメールを送ることです.
今回は,3番目にしますか.忘れないようにね.