わさっきhb

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指導したこと(2010.02.01〜05)

  • 最初のキーワード
  • システムの構想
  • 提案型研究の「本研究の成果」の書き方
  • webはWebに
  • 例を
  • 件数
  • XMLのフルスペル
  • 5段階評価の平均
  • 敬語にしない
  • お礼メール

最初のキーワード

内容梗概のページのおしまいに,キーワードを入れていますが…
キーワードは「研究の独自性」を凝縮したもの,というよりは,多数の論文の情報を,Excelファイルなりデータベースなりに入れておいて,そこから検索するってときの補助情報なのです.
独自性も大事ですが,それはタイトルや概要,本文から,見つけてもらえばいいのです.SEOとは言いませんが,検索で引っかかってくれるかにも,配慮したいものです.
慣例として,最初のキーワードは,研究分野として一般に知られているものを選んでください.

システムの構想

言ってみれば,手法提案型の研究として取りまとめるのですね.その方針は,良いと思います.
ただ,システム実装を中心とする研究でないてしても,提案手法を使って,ユーザどんなふうに見せるか,使ってもらうかについての「システムの構想」は,例えば考察の中か,考察と別に節を作って,書いておきたいものですね.

提案型研究の「本研究の成果」の書き方

「1.3 本研究の成果」の書き方ですが,おおむね次の流れにしてください.

  • 本研究で提案する手法の特長は次の通りである.……
  • そして提案手法を用いて実際に……
  • さらにその有効性を確認するため……

要注意語は「特徴」ではなく「特長」なのと,「実際に」という副詞です*1

webはWebに

「web」ですか,論文全体で統一していたら,まあ良しとするかと思ったのですが…
Web上の用語辞典や,英英辞典を引く限り,「Web」が最もポピュラーですので,キャピタライズしといてください.

例を

読み手に「どんなものを対象とした情報処理をしたいのか」をイメージしてもらえるよう,準備の章の中で,研究対象の「例」を出してください.
写真や,Webブラウザだとかターミナルだとかのスクリーンショットでもかまいません.
テキストファイルなら,Word上で箱囲みのテキストを書くのでいいでしょう.

件数

もう一つ.準備の章の中で,研究対象の「件数」を挙げてください.白書か何かで,ある時点までの総数が知られているのなら,引用したいところです.1年あたりや1日あたりの数が推計できるのなら,それでもいいでしょう.
重要なのはここです:そういった数値を出した上で,手作業では困難であること,計算機を用いた,機械的作業が不可欠であることを,アピールするのです.

XMLのフルスペル

CGIだとかXMLだとか,頭字語については,括弧書きでそのフルスペルを明記しておきましょう.
ちなみにXMLですが,「XML (eXtensible Markup Language)」ではなく「XML (Extensible Markup Language)」と書きます.

5段階評価の平均

5段階評価で,16人の平均をとって,表にした.というのは分かるのですが…
小数点以下の扱いがばらばらなのは,改善したいところです…どこを見ているか,分かりますか? あるセルは4,別のところは4.0625になっていますね.
すべて,小数第2位を四捨五入して,「x.y」の形で表してください.割り切れたときは「x.0」です.全員5なら「5.0」,全員1なら「1.0」です*2
元ネタ:http://twitter.com/takehikom/status/8578893694

敬語にしない

論文の本文には,敬語表現を入れないように.
実験の説明で,「16名の方」と書いていましたが,そこは「16人」とします*3
「回答をいただいた」のところも,「回答を得た」です.

お礼メール

あちらの先生のところで,いろいろアドバイスを得たのを,Wordに打ち込んでいるんですね.うん,電子化して残しておきましょう.
いつもの議事録形式にしておいてください.参加者は,あちらの先生が筆頭ですよ.お名前は,もらった名刺を見直しといてくださいね.
といっても技術者間のディスカッションではないので,この議事録をお送りするというわけではありません.
あちらの先生に,お礼のメールを送っておきたいところですが…
何形態かあります.まずは基本で,かつ社会人になれば当然の方法なのですが,終えて帰宅したら(もしくは研究室に戻ったら)その日のうちにメールです.これは,本文に実態はあまり伴わない,シグナルとしての情報発信です.家族で,親類の家に行ったとき,家に帰ってきたらすぐお母さんが,その親類のおうちにお礼の電話をしていますよね? あれです.
2番目は,アドバイスをもとに,こういう方針で進めていきますというのを添えて,ありがとうございましたのメールを送るのです.当日ではなく,数日後となります.時点としては,我々はこれをできる状態にいるのですが…するかね? んでも,方針が固まったってわけではないからなあ.
3番目はですね,卒研発表会を無事終えてから,「無事に発表を終えました.ありがとうございました.今後ともご指導のほどよろしくお願いします」といった趣旨のメールを送ることです.
今回は,3番目にしますか.忘れないようにね.

*1:かつてどこかで「副詞はひらがな」と書きましたが,さすがに「実際」は漢字にします.

*2:全員が最も高い/低い値をつけたら,それは本文でも特記しないといけませんね.

*3:「〜名」と「〜人」の使い分けとして,具体的に誰なのかが分かっているときは前者,必ずしも分かっていないときは後者,というのをどこかで読んだ記憶もあるのですが,今は見当たらないので,語感で良いほうを選べばいいでしょう.