わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

2008年11月というと,自分が問題意識を持ったのより前だ

「共通テスト」が全国で行なわれている。しかし、「共通テスト」には、誰が見てもおかしいことがある。解答用紙が返却されないのである。

すべての子どもを対象としない「全国共通学力テスト」

初出が2008年11月であることに留意した上で,主張は興味深いのですが,内容の賛否よりも,「共通テスト」という言葉が気になりました.『06年4月、共通テストを実施する際、東京都足立区で』とも書かれていて,2007年から実施の全国学力テストと一応は区別したい*1けれど同じ俎上に載せたい,という意図だったのでしょうか.

問題意識を疑問文として整理

国学力テスト(全国学力・学習状況調査)に関してこれまで見聞きし,自分でも書いてきたことを,疑問形でまとめ直してみます.

1. 全国学力テストの目的は○○であると主張する人へ:目的よりもむしろ,実施内容(「目的に見えるようなもの」を達成するための「手段に見えるようなもの」)が気に入らないのではないでしょうか? 数人や1クラスでの教育のあり方を,単純に国全体に広げても適用できると考えていないでしょうか?

2. 全国学力テストの目的を明確にせよと主張する人へ:主催する文科省の中で検討の結果,○○を目的とすると決めれば,それを受け入れるのでしょうか?

3. 経年変化(学力の向上・低下)が分かるようにせよと言う人へ:学力テストの出題内容が非公開になるのですが,非公開になることの得失,とくに教育業界や社会への影響を,どのようにお考えでしょうか?

4. 全国学力テストの抽出化や廃止の動きに対して,日教組の荷担を持ち出す人へ:日教組組織率と学力:補遺 | Okumura's Blogには,どのような意見をお持ちでしょうか?

国学力テストを理解するための基礎は?

 (略)文科省は「児童・生徒の弱点分野を見つけることに主眼を置いて始まった。学力の経年変化をチェックするためのものではない」と言うが、全国学テの分析にかかわってきた耳塚寛明・お茶の水女子大学副学長(教育社会学)は「全国的な学力の経年変化も検証できないのでは、せっかくの学テが十分に生かされているとは言い難い」と指摘する。
 全国学テが抱えるこうした問題について、日本テスト学会理事長の柳井晴夫・聖路加看護大学教授は、「最新のテスト理論に基づいて、きめ細かい問題作成を行えば、年度間の成績比較は可能」と語る。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20100511-OYT8T00213.htm

こちらは一昨日の記事ですが,耳塚寛明氏,日本テスト学会を見かけました*2
学問分野としては,「教育社会学」と「教育測定学」をとっかかりにすればいいのでしょうかね*3

*1:足立区の件については,http://blog.goo.ne.jp/proudcity/e/c200530883b985d71a24461079575d06でまとめられています.

*2:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20100511/1273523353

*3:ただし,耳慣れない「〜学」は,識者として新聞記事に載せるための,もしかしたら記者が設定したものなのかもしれません.