集団で多数の質問を出させる,「質問型ブレインストーミング」というのを妄想してみました.
まず司会進行役がテーマを決め,あらかじめ参加者に周知します.例えば“Linuxに親しむ”とします.
通常のブレインストーミングなら,Linuxに親しむための手段を言い合うことになりますが,質問型ですので,Linuxに親しむための質問を言い合うこととします.
一人ブレストをしてみますと…
- なぜLinuxに親しまなければならないのか
- Linuxと,普段親しんでいるWindowsの違いは何か
- 授業でLinuxを使ったのは「親しむ」にならないのか
- Linuxを研究室で使うにはどうしたらいいのか
- Linuxを自宅で使うにはどうしたらいいのか
- どんな種類(ディストリビューション)のLinuxをインストールすればいいのか
- Linuxのディストリビューションとは何か
- WindowsのPCとLinuxを共存できるか
- 1台のPCで,WindowsとLinuxを共存するにはどうしたらいいか
- Linuxをインストールするためにどんな(スペックの)PCがあればいいか
- Linuxも,Windowsのようにマウス操作ができるのか
- Linuxとはカーネルだけを意味すると聞いたことがあるが,どう理解すればいいか
- VMwareにLinuxを入れればいいと聞くが,VMwareとは何か
- VMwareにLinuxを入れて使うことのメリットは何か
- ファイル編集にEmacsを使わなければならないのか
- シェルでのコマンド実行を,もっと効率良くできないものか
- どこまで行けば「Linuxに親しんだ」と言っていいのか
- Linux初級者はどんな状態か
- Linux中級者はどんな状態か
- Linux上級者はどんな状態か
- コマンド実行だけ親しむのでいいのか(プログラムを書けるようになるべきではないか)
- OpenOffice.orgはMicrosoft Officeの代わりになるのか
いくつか,“Linuxに親しむ”から離れているものもありますが,ブレストってこんなもんかと思います.それと,少々テクニカルな話をすると,“Linuxのカーネルに親しむ”ではなく,“標準的なLinuxディストリビューションをインストールしたときに使用できるソフトウェアに親しむ”になっているのは,カテゴリーに「研究室」を入れていることからご賢察ください.
ところで,ブレインストーミングの重要な原則である
判断・結論を出さない(結論厳禁)
ブレインストーミング - Wikipedia
粗野な考えを歓迎する(自由奔放)
量を重視する(質より量)
アイディアを結合し発展させる(結合改善)
は,質問型でもそのまま適用されます.質問はいいけど,答えを知ってても言ってはいけないというのは,Linuxに親しんでいる人にはもどかしさを覚えるかもしれません.
ただまあ回答のない質問というのもよろしくありませんので,質問(アイデア)が出尽くしたら,それらを整理・分類し,重要な質問(アイデア)については,手分けして調査して回答したいものです.そのために,次の工夫をします.まず司会進行役は,「この質問は,きちんと調査し,検討すれば,答えが出てきそうだ」というのを判別できて,かつ参加者から信頼されている人が務めます.研究室なら教員か,最高学年の人がするといいでしょう.
それから,このあたりから本来のブレストから外れる路線をとりますが,どの質問を誰が発したかを,記録していきます.
この発言者情報をどこで使うかというと,どこでの前にアナウンスする際,「みんなで多数の質問を出し,手分けして調査して後日,回答してもらいます.ただし,質問者はその質問に対して回答することはありません」とします.これにより,多数質問する人(アイデアを出す人)は,回答については多くなくていいということを暗に指示することになります.準備すなわち質問出しに時間をかけるか,準備よりも調査・回答に時間をとりたいかは,参加者次第です.想像としては,質問出しに時間をかけるほうが,作業時間は少なくなりそうですけど.
実際に誰にどの質問を,そして何個の質問を割り当てるかは,司会進行役次第です*1.事前または当日に「質問の数が多い人は,回答してもらう数を少なくします」と明示するのも,いいかもしれません.
と,こんな質問型ブレインストーミングを繰り返し実施することで,各参加者にとって,一つのテーマから多面的に質問を出す能力を向上させ,質問には回答を示す義務があることの理解が深められるといいのですが.
*1:難しい質問への回答は,司会進行役が受け持つべき,というケースもあっていいでしょう.