わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

母の行動力から学ぶ

結婚して,家を離れてから,実家の母のすごさ*1を実感する機会が増えました.
最近の出来事を振り返りながら,ちょっとまとめてみます.

1. 周囲を楽しませ,自分も楽しむ

先日,和歌山市駅まで娘を連れて来てほしいと,連絡がありました.
特急サザンに乗って,和歌山市-堺の往復をしたいというのです.堺にいる間は,今は夏ですのでプールで遊んだり,堺市内のイベントに一緒に行ったりするとのこと.
具体的に何をしたくて,我が家サイドでおおよそ何をすればを聞いたところで,母は言います.「(この子=孫と特急の指定席に座るのが)夢やってん」と.
実のところ1歳8か月の娘が,特急の少々いい席に座って揺られるなどという経験を,記憶するというのは難しそうです.
しかし写真を撮れば記録に残りますし,電車でおでかけの能力をステップアップさせるのは楽しいものです.母は「(この子が)小学生くらいになったら,一人で来てもらおうか」とも言っています.妻も妻で,小学3年生のときに,一人で新幹線に乗り,途中で隣に中曽根康弘元首相が座っていろいろお話しをしたということを言い出しました.
このことに限らず,我が家関連であれば孫の成長を見ながら,そして他の人間関係ではまた別の手段を通じて,母自身の生活に張りを持たせているのが分かります.

2. 2人の息子以外には,負担をかけさせないようにする

母には2人の息子がいます.一人が私です.もう一人は,私の兄です.
和歌山市まで娘を連れてくる件で,けったいな条件がつきました.こちらは車で行くのですが,うちの妻は同乗するなというのです.もし来たら,一人でとんぼ返りするとも言います.
当日の朝食どきに,母から電話があり,妻が軽く「じゃあ,母(もちろん妻の)に乗ってもらいますので」と言ったところ,「それやったら,貴志川線に乗って,そっち(我が家)まで行く」ということになって不穏な雰囲気に.
改めて私から電話をかけ,真意を聞き,いったん切ってこちらの行動方針を決めて,妻が電話をして了承をもらい,事なきを得ました.
2人の息子以外には,できるだけ気遣いをさせないよう,母なりに気遣いをしているわけです.
実家に私と妻と娘,それと兄夫婦が集まったときは,基本的に私が運転手役で,兄は,料理の予約を取っていないときに評判のいい料理屋さんを紹介するのが担当になっています.

3. 前倒し

ところで,和歌山市駅で娘を引き渡したらおしまい,というわけにはいきません.その日の晩に,迎えに行くことになります.ちなみに母は南海の同じ路線を2往復することになります.切符を普通に買うと,810円の4回で3,240円です.8月にあと2回,同じようなことをしたいと言っていましたので,こちらでスルッとKANSAIの3dayチケット(季節限定版)を買い,郵送しました.
「時刻を調べておいてほしい」と,指示がありました.小さいころから,時刻表を見るのは自分の仕事だったので,調べること自体は苦になりません.
なのですが,直前には毎日のように電話があり,スケジュールが二転三転しました.もともとは,夜店にうちの子を連れて行きたいとのことで,夕方に預けて晩にお迎え,だったのですが,プールで遊ばせたいとかおいしいものを食べさせたい*2とかで,引き渡す時刻も受け取る時刻も,最初の計画から早くなりました.
母なりに孫は可愛く,長いこと一緒にいたいわけですが,本人にも我が家にも幸せの時間というのが必要なわけで,「前倒し」により満足のいく実施内容となった次第です.
ちなみに,休日の昼間にうちの子がいない我が家はどうだったかというと,妻は家の中のあちこちを掃除し,私も年に1回の垣根の草刈りにいそしみました.

4. コミュニケーションを絶やさない

電話をかけたり受けたり,手紙を送ったりして,楽しかった出来事を振り返るとともに,次に何をするかを決めていきます.日付確定のあと,日数に余裕があれば大まかな予定を情報交換し,近づいてくればかなり細かいレベルでのやりとりをすることになります.
母がうちの子と過ごした1日について,さっそく,アルバムが届きました.おそらく,2枚ずつ現像して,1部は実家に置いているのでしょう.こちらのアルバムには,写真だけでなく,乗った特急の指定券も貼られていて,こちらが正本のようにも見えます.って,そんなんでいいの?

自分の仕事に適用すると

上の4項目を,自分の仕事,具体的には大学の教務・学務や研究室活動に当てはめると,こうなりますか.もう少しアレンジすれば,学生にお勧めしたい行動様式も,書けそうです.

  1. 周囲を楽にし,自分も楽にするように,手間をかける.
  2. 他の人に負担をお願いするときは,どうしても必要な状況・人であることを確認してからにする.
  3. スケジュールは前倒しを常に考える.一度立てた計画は,実行まで何度も見直す.
  4. 会話やメールなど,コミュニケーション手段にはそのつど適切なものを選び,コミュニケーションを絶やさない.

*1:妻の母もすごいのですが,それはまた別の話.本日のエントリの「母」は,実母を指します.

*2:そういえば妻は,次の日は,「ラムネぇ」とか「アイスクリームぅ」とかぐずってた,と言っていました.食べさせていたのでしょう.