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阪和線の上野芝駅のそばに木下将棋教室というのがございまして

はてブしたのは私です.
むかし,阪和線の上野芝駅のそばに木下将棋教室というのがございまして,小学校6年に上がった最初の4月の日曜日に,母とともに教室へ行き,その後中学3年まで,一人で通っていました.あるときは自転車で,あるときは三国ヶ丘駅経由で,またあるときは堺東駅前からバスで.
基本的には教室に通う人との対局で,それぞれ段級位が違っていますのでいわゆるハンデ戦駒落ちなど*1)を行っていました.決められた連勝数,または決められた勝敗数になったら,昇級・昇段です.その教室内では,2級か1級まで上がったと思います.
それと,月に一度,木下先生と1局指して,稽古をつけてもらっていました.こちらは六枚落ちからで,勝てば次は駒落ちの数が減っていくというものでした.最終的には二枚落ちまで進みました.姿勢や,盤面全体を見ることなども,教わりました.
私が入ったころから,小中学生が積極的に入会するようになったのかなと記憶しています.近い学年の人とはよくおしゃべりをしまして,現在はもう親交がありませんが,何人かの名字やフルネームが,記憶からよみがえってきました.同学年の一人は,松原に住んでいて,三国ヶ丘まではお父さんに車で送り迎えしてもらっていたんだったかな.
日記でも,この将棋教室のことを踏まえた内容がありましたので,取り上げることにします.最初の1件を除いて,今年書いたというのは,妙なものです.

最近の複雑なゲームは,長くて,深くて,難しい.その根幹にある活動は意思決定であり,子どもたちはその後に影響を与えるような意思決定をするのが大好きだ.何よりもそれが子どもたちに力を持った気にさせる.子どもたちは複雑なゲームをする時,目まぐるしく次々に判断を下す.最近,私の友人のエンジニアが,小学生の息子たちにゲーム中にどれくらい頻繁に意思決定しているかと尋ねたところ,0.5秒に1回は何らかの意思決定をしているというのが彼らの答えだったそうだ.
(前掲書,p.83)

そんなにしているとは.
…と思ったけど,これはテレビゲームに限りませんね.例えば将棋で「手を読む」作業は,小学生のときの私で(もちろんおぼろげな記憶で),毎秒1〜2手,調子のいいときはもっと,考えていたと思います.
補足ですが,将棋の意思決定というのは,指し手を決めること(大きな意味での意思決定,と言えますが)ではなく,「次にどんな手がありそうか」を一つ出すことと考えています.テレビゲームをしているときの意思決定も,同様でしょう.

テレビゲームの周辺にあるものを気づかせてくれる2冊(1) - わさっき

盤については,折りたたみ式でも差し支えありません.将棋教室で,六寸盤なんかを使ってこのペコ回りをしたら,きっと先生に叱られるでしょう.

ペコ回りとは(1): 参加者と駒 - わさっき

(略)文脈としては,「問題用紙が回収されたなら,問いから学べない」なのですが,実はそんなことはありません.テスト終了後に“反省会”をすればいいのです.将棋で言う,感想戦です.
ここで昔話を書きます.中学生のとき,堺市内のプロ棋士による将棋教室に通っていました.20〜30分くらいで1局指して,勝負がついてから,ときには最初の状態から一手一手指していき,感想戦をすることがありました.NHK教育の昼前の番組で,放送終わりまで時間がけっこうあるときに,最初の状態に並べてぱちぱちがやがややっている,あれです.
あれ,プロでなくてもできるのです.中学生のときの自分の棋力は,その教室の中では結局初段にはいかず,なんだったかの将棋雑誌で,往復はがきで解答してポイントを取って,初段を申請しました.
短期記憶として,ああ指されたので自分はこうしたというのが思い出せますし,将棋は 2人でするものなので一方が忘れたらもう一方が指摘していきます.中盤の要所や,ここが悪手だったというのも,再現する中で確認していました.特に棋譜をとっていなかったので,次の対局に集中しているときには大部分を忘れますが,好手や敗着については,そのときの感情と合わせて,もうしばらく残っていたものです.

全国学力テストの問題を非公開にできるか - わさっき

落語や囲碁将棋の世界にも,大学の研究室と同じように,師弟関係があります.そこでは弟子が自分の師匠につきっきりで教育を受けることは,むしろまれです.たいていはほかの師匠や先輩をたずねて教えを乞います.自分の師匠から学びすぎると,単なる師匠の縮小コピーになってしまいます.ほかの師匠から学ぶ機会を意識的に増やしていかないといけません.
(p.19)

少し前に,私が堺市内の将棋教室に通っていたことを書きました.そこの先生はプロ棋士でしたが,私は決して師弟関係というわけではありませんでした.今思い出すのですが,あるとき,その先生が私でないどなたかに,「棋力を伸ばしたければ,ここの将棋教室に払う月謝と同じ金額を,本を買って読み,福島の関西将棋会館に通うのにかけなさい」とおっしゃっていました.これが「ほかの師匠から学ぶ」なのですね.

プレゼンの「7つの禁じ手」 - わさっき

思春期の時期に,学校とも家庭とも離れたところで,厳しく温かいご指導を受けたことに思いをいたし,ここに,ご冥福をお祈りしたいと思います.

*1:一つだけ段級位が違う人とだと,平手で,下位の人が先手でした.