わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

プレゼンの評価ポイントは,創造力・洞察力・応用力

プレゼンのトリセツ Web・広告デザイナーが知っている現場のルール

プレゼンのトリセツ Web・広告デザイナーが知っている現場のルール

ちょっと分野違いなのを,認識の上で買って読みました.『広告代理店のクリエイティブ部のスケジュールの代表的な例』(p.58)として,4チームで20案を作り,4案に絞り込んで,カンプ(仕上がり見本)を作るというのは,細々と研究室を運営している者には知ることのできなかった工程です*1.なお,第1次の案の数については,デザイン的発想 - わさっきで取り上げたことがあります.
最も目を引いたのは,そういう広告向けプレゼンの流れでも,クリエイターのインタビューでもなく,「プレゼンの評価ポイント」(p.74)に描かれていた図でした.デジカメで撮影しても良かったのですが,こういうのをしゃっと描けるか自己点検を兼ねて,Inkscapeで作図してみました.

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見た瞬間に,評価ポイントとして創造力・洞察力・応用力の3つの尺度を挙げ,それをXYZ座標空間として表せるということが分かります.なのですが,これらの能力が本当にそういう空間を構成するのか,すなわち,この3つの尺度が線形独立であるかどうかについては,疑問を持ったほうがいいのかなとも考えます.ある種の工学になじみの人には釈迦に説法ですが,3つのうちの1つまたは2つの尺度により,残りの尺度が規定されてしまうことがないか.です.図で言うなら,日常行われるプレゼンに対してその評価をこのXYZ座標空間上にプロット(打点)したときに,その点の集まりが空間的な散布ではなく,平面または直線に乗っていないかというのと同義です.
卒業研究を頑張っている人へ…3つの尺度は,研究で言うと新規性・信頼性・有用性におおむね対応します(完全な対応ではありません.特に新規性).新規性を高めるのは,斬新なアイデアと思いたいところですが,実は努力です.信頼性を高めるのは,研究対象とその関連分野に対する理解です.有用性は,ほんの少しだけ表明しておいて,あとはお偉い先生に語ってもらいましょう.

*1:気まぐれコンセプトは一時期愛読していたけど,どこが本当でどこがフィクションが分からなかったし.