プレゼンのトリセツ Web・広告デザイナーが知っている現場のルール
- 作者: 4D2A,Arts and Law,作田知樹
- 出版社/メーカー: ワークスコーポレーション
- 発売日: 2010/05/21
- メディア: 単行本
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最も目を引いたのは,そういう広告向けプレゼンの流れでも,クリエイターのインタビューでもなく,「プレゼンの評価ポイント」(p.74)に描かれていた図でした.デジカメで撮影しても良かったのですが,こういうのをしゃっと描けるか自己点検を兼ねて,Inkscapeで作図してみました.
ファイル:presentation3d.svg
見た瞬間に,評価ポイントとして創造力・洞察力・応用力の3つの尺度を挙げ,それをXYZ座標空間として表せるということが分かります.なのですが,これらの能力が本当にそういう空間を構成するのか,すなわち,この3つの尺度が線形独立であるかどうかについては,疑問を持ったほうがいいのかなとも考えます.ある種の工学になじみの人には釈迦に説法ですが,3つのうちの1つまたは2つの尺度により,残りの尺度が規定されてしまうことがないか.です.図で言うなら,日常行われるプレゼンに対してその評価をこのXYZ座標空間上にプロット(打点)したときに,その点の集まりが空間的な散布ではなく,平面または直線に乗っていないかというのと同義です.
卒業研究を頑張っている人へ…3つの尺度は,研究で言うと新規性・信頼性・有用性におおむね対応します(完全な対応ではありません.特に新規性).新規性を高めるのは,斬新なアイデアと思いたいところですが,実は努力です.信頼性を高めるのは,研究対象とその関連分野に対する理解です.有用性は,ほんの少しだけ表明しておいて,あとはお偉い先生に語ってもらいましょう.