小学校においては,計算とその結果を表す式(解を求める式)を用いることが多いことから,ある事象の数量を表している式や,数量の関係を表す式についての理解が十分とは言えない状況が見られる。このことが,文字を使って数量の関係を方程式などに表し,それを形式的に処理する学習が行われる中学校での文字式の理解に影響を及ぼしていると考えられる。
算数科,数学科 「計算や式の意味の指導について」
「ゆとり世代」がなじめない
- 単一の知識を問うものは,正答率が高い.
- 複数の知識を組み合わせて解くものは,低い.
- 複数の授業の知識を組み合わせて解くとなると,もっと低い.
- Q: 全国学力テストの平行四辺形の面積と,今回との関係は何なのですか?
(略)
「×」から学んだこと
小学校2年生で,《題意による誤答》ではいけないことを誰も指摘しなかったら,学年が上がり高度なことを学んでいき,平行四辺形の面積を求める際に,「底辺」×「高さ」という公式に当てはめるのではなく,目で見た情報から良さそうなものを選んでかけ算にして,誤答をしている児童が少なからずいるのではないですか,ということです.
むしろ、日本の算数教育が文章題に関して弱いのは
かけ算の式の順序にこだわってバツを付ける教え方は止めるべきである
掛け算の順序を含めたくだらないこだわりを子どもたちに押し付けていること
が原因である可能性さえあるのではないでしょうか。
上記4つの引用について,配置には特に意味はありません.また引用部はいずれも,個人的に印象の残っている記述であり,賛否の検討にあたってはその前後も読む必要がある点を,指摘しておきたいと思います.
それと,最初の引用には,次の親子関係が含まれています.
- 式
- 計算とその結果を表す式(解を求める式)
- ある事象の数量を表している式
- 数量の関係を表す式
言われてみればなるほどの分類です.そして例の《問い》(というか「しき」と「こたえ」のほうですね)からは,「計算とその結果を表す式(解を求める式)」と「ある事象の数量を表している式」の両方の要素を見出すことができます.類題を検討すると,「数量の関係を表す式」も無視できません.